揚水発電の下池として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/22 09:04 UTC 版)
一方、電源開発株式会社は那珂川上流部に揚水発電所の建設を同時期に計画していた。1969年(昭和44年)「沼原発電所建設計画」を発表し深山ダムを下池に利用し、上池として沼ッ原(ぬまっぱら)調整池を建設し最大出力675,000キロワットの発電を行おうとした。沼ッ原調整池の地質は透水性の高い火山性堆積物であること、ダムから調整池までの最高揚程が500mを超えること(当時の最大揚程は200m台であった)など技術的な問題はあったが、前者は深山ダムと同じアスファルトフェイシングダムとしたこと、後者は新規に大容量フランシス型ポンプ水車を開発、導入したことで解決した。沼ッ原調整池は、深山ダム完成と同じ1973年に完成、発電所も稼動した。那珂川水系には沼原揚水発電所の他、1995年(平成7年)に東京電力株式会社によって蛇尾川に塩原発電所(蛇尾川ダム・八汐ダム)が建設されている。 ダムは日光国立公園内にあり、ダム湖の深山湖からは那須岳を望める。新緑の時期には雪を被った那須岳が湖面に映える。近くには沼ッ原湿原や板室温泉があり、観光地となっている。 調整池の漢字表記は、国土地理院の地形図上では「沼ッ原調整池」であるが、一般にはしばしば「沼原調整池」と表記されることがある。 左:電源開発沼原発電所全景。左が深山ダム湖、その右にある四辺形の水表面が沼ッ原調整池。(国土交通省、国土画像情報(カラー空中写真)より作成(1976年11月18日および22日撮影))右:那須岳と山麓の沼ッ原調整池(画像右手)
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