捕鯨をめぐる議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/20 20:53 UTC 版)
「ノルウェーの捕鯨」の記事における「捕鯨をめぐる議論」の解説
「捕鯨問題」も参照 動物愛護団体や反捕鯨団体は、「ノルウェーはノルウェーの経済において商業捕鯨に従事している人は少なく、今後も継続してやっていこうとする人が少ない国の一つにもかかわらず、ノルウェー政府は捕鯨を主張しているのはおかしい」とノルウェーを糾弾している。 これに対し捕鯨支持者は、捕鯨禁止を独立国であるノルウェーに押し付け、また、捕鯨よりも有害であるとみなすことが出来る農場や養殖場を建設させようとすることは主権侵害であると主張している。捕鯨支持者の多くはマクロ経済的に捕鯨が重要であるとは考えていないが、しかし、個人や中小企業が捕鯨によって生計を立てており、人間が種の存続を脅かさない程度に捕鯨を維持すべきであり、また、捕鯨文化はノルウェー沿岸部における重要な文化だと考えている。Arne Kallandは「捕鯨への国際的圧力はノルウェーに対する文化帝国主義の一形態である」と主張している。今日のノルウェーの捕鯨は、種の存続を脅かさない程度にごく少量の捕獲にすぎず、捕獲の際にはミンク鯨を苦しませないで殺す捕鯨砲によるものである。 ノルウェーの捕鯨に反対する団体のうち過激なものは、捕鯨船に侵入して注水し自沈させるなどの破壊活動を行っている。例えばシーシェパードは、1992年と1994年にノルウェーの捕鯨船に対する破壊活動を行った。1996年、マルクセンの捕鯨船は、商業捕鯨を行うノルウェーの中心地、北極圏のロフォーテン諸島で、「アジェンダ21」と名乗る組織に船の一部を破壊された。同諸島では、この4年で3回も捕鯨船が沈められ、反捕鯨団体シーシェパードも過去2回、ノルウェーで破壊活動を行った。2007年にもノルウェーの捕鯨船が沈む事件があり、「アジェンダ21」を名乗る団体が犯行声明を出している。ノルウェー政府は、こうした過激行動をエコテロリズムとみなし、ノルウェーの国全体に対するテロ行為だと非難している。洋上での妨害活動に対しては、沿岸警備隊の艦艇を出動させて、体当たりによる排除を実施した例もある。 このほか、2001年には、ノルウェー産鯨肉の輸出を巡って、環境保護団体グリーンピースの要請により、ブリティッシュ・エアウェイズやエールフランス、ルフトハンザドイツ航空など21の航空会社が鯨肉の貨物取り扱いを拒絶する事態も起きている。
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