拡張ヘッダ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/01 07:22 UTC 版)
拡張ヘッダは任意のインターネット層の情報を持ち、固定ヘッダと上位層プロトコルヘッダの間に位置する。次ヘッダフィールドを使用しヘッダは数珠つなぎになっている。固定ヘッダの次ヘッダフィールドは最初の拡張ヘッダのタイプを示し、最後の拡張ヘッダの次ヘッダフィールドはペイロードに含まれる上位層プロトコルのタイプを示す。 全ての拡張ヘッダのサイズは8オクテットの倍数であり、いくつかの拡張ヘッダはこの条件を満たすためパディング(意味を持たないデータ)を含むことがある。 複数の拡張ヘッダが定義されていて、将来さらに新しい拡張ヘッダが定義される可能性がある。パケットの経路上にあるすべての中間ノードが処理する必要のあるホップバイホップ拡張ヘッダを除き、拡張ヘッダは宛先ノードでしかチェック・処理されない。下に定義された拡張ヘッダは固定ヘッダに続く優先的な並びにリストされている。すべての拡張ヘッダは任意であり、かつ一回しか使われない(ただし2回使うことができる宛先オプションを除く)ことに注意されたし。 もしノードがある拡張ヘッダを認識できないときには、ノードはパケットを破棄しパラメーター異常(ICMPv6 type4, code1)メッセージを送信する。固定ヘッダ以外のヘッダで次ヘッダの値が0のときも同様である。 拡張ヘッダタイプ説明ホップバイホップオプション 0 経路上にあるすべてのデバイスでチェックされる必要のあるオプション。 宛先オプション(ルーティングヘッダの前) 60 パケットの宛先でしかチェックされる必要のないオプション。 ルーティング 43 データグラムの経路を指定するためのメソッド(Mobile IPv6で使われる)。 フラグメント 44 データグラムの断片化についての情報が含む。 認証ヘッダ(AH) 51 パケットのほとんどの部分の信ぴょう性を検証するために使われる情報を含む。 カプセル化セキュリティーペイロード(ESP) 50 安全な通信のための暗号化されたデータを持つ。 宛先オプション(上位層プロトコルヘッダの前) 60 パケットの宛先でしか検査される必要のないオプション。 Mobility(currently without upper-layer header) 135 Mobile IPv6で使用されるパラメーター。 Host Identity Protocol (HIP) 139 Host Identity Protocol version 2 (HIPv2)で使用される。 Shim6 Protocol 140 Shim6で使用される。 予約 253 実験とテストに使用される。 予約 254 実験とテストに使用される。 次ヘッダフィールドが59(次ヘッダなし)のとき、上位層プロトコルを含めそのヘッダに続くヘッダはないことを示す。つまりそのヘッダの視点からすると、ペイロードは含まれずIPv6パケットはそのすぐ後に終了するように見える。しかしながら固定ヘッド内で指定されたペイロード長がパケット内のすべての拡張ヘッダの大きさよりも大きければ、データはペイロードとして含まれることができる。ホストはこのデータを無視するが、変更されないままルーターを通過することができる。
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