固定ヘッダ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/01 07:22 UTC 版)
IPv6パケットの固定ヘッダは40オクテット(320ビット)の固定長で構成されている。以下にヘッダフォーマットを示す。 固定ヘッダフォーマットオフセットオクテット0123オクテットビット01234567891011121314151617181920212223242526272829303100バージョン トラフィッククラス フローラベル 432ペイロード長 次ヘッダ ホップ制限 864送信元アドレス 1296161282016024192宛先アドレス 282243225636288 バージョン(4ビット) IPバージョン。6(二進数では0110)が必ず入る。 トラフィッククラス(6+2ビット) このフィールドはQoSに関連する二つの値を持つ。上位6ビットはDiffServ(DS)フィールドで、パケットを分類するために使われる。現在、すべての標準的なDSフィールドは「0」ビットで終わる。2連続の「1」ビットで終わるDSフィールドはローカル・実験的使用が予定されている。 残りの下位2ビットは明示的輻輳通知(Explicit Congestion Notification, ECN)に使われる。優先値は複数の範囲に細分される。送信元ノードが輻輳制御を提供するトラフィックと、輻輳制御なしのトラフィックである。 フローラベル(20ビット) 元々はリアルタイムアプリケーションサービスを提供するために作られ、QoSに近い目的を持ったフィールド。0ではない値を入れると、対応するルーターやスイッチは同じフローラベル・送信元アドレス・宛先アドレスを持つパケットを同じ経路で転送するため、パケットが並べ替えられることを防ぐことができる。 ペイロード長 (16ビット) オクテット単位で指定された、すべての拡張ヘッダを含むペイロードのサイズ。ただしホップバイホップ拡張ヘッダがジャンボペイロードオプションを持つときは0が入る。 次ヘッダ(8ビット) 次ヘッダのタイプを指定する。拡張ヘッダが使われない場合、上位層であるトランスポート層プロトコルを指定する。このフィールドはIPv4のプロトコルフィールドと同じ機能を持つため、この値はIPv4のプロトコル番号と共有されている(詳細はプロトコル番号一覧)。 ホップ制限(8ビット) IPv4のtime to live(TTL)とほぼ同等。この値はルーターを通過するたびに1ずつ減っていき、0になるとパケットは破棄される。ただし宛先ノードはホップ制限が0になっても通常通りパケットを処理する。 送信元アドレス(128ビット) 送信元ノードのIPv6アドレス。 宛先アドレス(128 bits) 宛先ノードのIPv6アドレス。 パフォーマンス向上のため、また現在のデータリンク層技術及びトランスポート層・アプリケーション層プロトコルは十分な誤り検出能力を持っていると見込んで、このヘッダは誤り検出用のチェックサムを持たない。
※この「固定ヘッダ」の解説は、「IPv6パケット」の解説の一部です。
「固定ヘッダ」を含む「IPv6パケット」の記事については、「IPv6パケット」の概要を参照ください。
- 固定ヘッダのページへのリンク