ぎじゅつかてい‐か〔‐クワ〕【技術家庭科】
技術・家庭
(技術・家庭科 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/19 15:00 UTC 版)
技術・家庭(ぎじゅつ・かてい)は、日本の中学校(相当学校・課程を含む[注釈 1])における教科の一つ。1958年(昭和33年)告示の中学校学習指導要領で、科学技術に関する指導を強化するため、それまで開設されていた職業・家庭科と図画工作科を、技術・家庭科と美術科に再編成する形で新設された。
注釈
- ^ ただし、知的障害者を教育する特別支援学校では、「職業・家庭」で構成されているので、「技術」の分野は設けられていない。
- ^ 1957年に教育課程審議会は「小学校・中学校教育課程の改善について」検討を始め,1958年3月に「技術科を新たに設けて科学技術に関する指導を強化する」と答申を出した。文部省は各教科ごとに教材等調査研究会を組織して,その4か月後に具体案の中間発表が行われることになった。文部省担当官たちが,7月27日の夜遅くまでかかり中間発表案の印刷を校了したにもかかわらず,翌日,文部省の初中局長が「技術科」を「技術・家庭科」に改称することを職業教育課長に命令した。7月29日,出勤した担当官たちは印刷物の訂正と関係者への連絡で奔走することになった。この事態は次のようないきさつがある。家庭科教育関係の全国団体が,有力衆議院議員に政治献金(日本教育新聞によれば75万円)を行い「技術科」に「・家庭」を加えることを依頼した。その議員が初中局長室に来て,参議院に出馬する意思を持っている局長が立候補する際に家庭科教師に協力してもらうために『技術・家庭科』に改称させたという。担当官たちがこの改称を知らない夜に,家庭科教育関係団体の幹部たちは祝杯をあげていた。このことは雑誌『家庭科教育』の当時を回顧する座談会の発言として記されている。たえず「通達」を権力的に振りかざす官僚が,政治家にいかに微力であるか,自己の利益のために「通達」を一夜にして反故にするのか,審議会や研究会の民主的手続きさえ平気で無視してしまうのか,を如実に表している。(清原道壽『昭和技術教育史』農文協、1998年、p.931)
出典
- 1 技術・家庭とは
- 2 技術・家庭の概要
- 3 関連項目
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