批判・反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 05:20 UTC 版)
「エベン・アレグザンダー (作家)」の記事における「批判・反応」の解説
2013年、『エスクァイア』誌はアレグザンダーの主張と医師としての経歴に対して調査を実施し、アレグザンダーが『プルーフ・オブ・ヘヴン』の出版以前、病院での職を複数回にわたって解雇・停職されていたと報告した。この報告ではまた、アレグザンダーが医療ミス隠蔽を目的とした医療記録の改ざん行為への最低2回の関与を含む複数の医療訴訟案件の対象になっていたとされる。 エスクァイア誌は更に、アレグザンダーが本で述べた出来事に関して複数の矛盾点があることを主張した。矛盾点の例として『フォーブス』に抜粋された記事の一部分によれば、「アレグザンダーは、自分は重度の細菌性髄膜炎の結果として昏睡状態に入り、その時点で脳の活動はほぼ停止していたと主張しているが、担当医の証言では、アレグザンダーが陥った昏睡は医学的な処置として人工的にもたらされた昏睡状態であり、処置の時点では幻覚状態にあったものの意識は持っていた」という。一方で、「臨死体験に関する最も信頼できる情報源(the most reliable source of information on NDEs)」を自称する非営利組織「International Association for Near-Death Studies」は、当該記事を批判しており、取材を受けたアレグザンダーの担当医師は記事の内容に否定的であり、実際の昏睡状態で起きた反射的な発作を、意識があった証拠と取り違えた内容の記事であるとしている。 アレグザンダーは批判に対して、「私が『プルーフ・オブ・ヘヴン』で述べたことは自分が体験したことの偽りの無い報告であり、この本の中で私は職業的・個人的な成功と失敗の両方を認めている。私はこの本に書かれた一字一句を支持しており、そこに含まれたメッセージは私の人生の目的になっている。『エスクァイア』の冷笑的な記事は私の脳神経外科医としての25年のキャリアにおける事実を捩じ曲げており、真実を犠牲にすることによって根拠の無い主張と恣意的な情報の引用がいかに組み立てられることになるかの模範例だ」と応酬した。 アレグザンダーの著書は複数の科学者から批判を受けている。その中の1人であるサム・ハリスは、アレグザンダーによる臨死体験の説明を「驚くほどに非科学的」であると述べ、「アレグザンダーの説明の全て、何から何までが、彼が天国のビジョンを見たとき、彼の大脳皮質は’シャットダウンされた’、’機能停止した’、’完全に停止した’、’完全にオフラインになった’、あるいは’完全な活動停止’状態にあったと繰り返し言うことに基づいている。彼がこの主張の根拠としている証拠は不十分であるばかりか、彼が関連する脳科学について何も知らないことを示唆している」として、「脳がシャットダウンしたとされるケースであっても、その患者が生き延びて自らの経験を語るのであれば、脳の活動は回復されている。そのようなケースでは一般的にいって臨死体験が脳がオフラインの状態で起きたことを立証することはできない」と述べた。 神経学者で作家のオリバー・サックスはハリスに同意して「臨死体験に関する自然な説明の可能性をアレグザンダー医師のように否定することは非科学的であるというよりも反科学的である」と述べ、「アレグザンダー医師のケースを説明する最も妥当な仮説のひとつは、彼の臨死体験は昏睡状態で起きたのでは無く、昏睡状態から目覚めて大脳皮質が機能を取り戻しつつある時に起こったというものだ。彼がこの理解しやすく、かつ自然な説明を許さず、超自然的な説明に固執していることは不思議だ」としている。2012年、アレグザンダーは批判者への反論を、『ニューズウィーク』での2度目の記事の中で発表した。
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