手洗いを中心とした標準予防策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/19 17:47 UTC 版)
「感染管理」の記事における「手洗いを中心とした標準予防策」の解説
ウィーンのゼンメルワイス(1847年)やボストンのオリバー・W・ホームズ(1843年)により発表された独自研究により、医療従事者の手と院内感染との関連が示された。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)はこれを受けて、「病原体の拡散を防ぐのに最も重要な方法は有効な手洗いであることが示された」と報告している。 手洗いはほとんどの医療機関で義務付けられており、米国では単に常識として守られるだけではなく様々な自治体や地方自治体によっても義務付けられている。米国では労働安全衛生庁(OSHA)の基準は、いつでも使える手洗い設備の設置を雇用者に義務付け、従業員が血液やその他の感染の恐れのある物質に触れた場合に、手やその他の皮膚を石鹸と水で洗ったり、粘膜を流水で洗えることを保証するように求めている。 日本では国立大学付属病院感染対策協議会による「国立大学病院院内感染対策ガイドライン」をはじめとする指針が2002年に策定された。 既知の感染の有無にかかわらず患者の血液・体液・分泌物・排泄物・損傷皮膚・粘膜に触れる前後に手洗いと手袋着用を推奨。手技に応じてマスク・ゴーグル・フェイスシールド・ガウンも使用。 注射針、メス、その他の鋭利な器具による刺傷・切傷を避けるためにリキャップの禁止、使用直後の安全な廃棄のために医療廃棄物容器の適切な配置、さらに安全装置付き注射針の採用を呼びかけ。 床・壁など環境表面の汚染時には手袋を着用し、ペーパータオルと消毒薬により清拭消毒。汚染されたリネンは洗浄まで周囲への汚染を防ぐために適切に保管する。 血液で身辺を汚染する可能性のある患者は個室に収容する。
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