忘れられたレシピの紹介
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 08:27 UTC 版)
「トースト・サンドイッチ」の記事における「忘れられたレシピの紹介」の解説
2011年11月15日、王立化学会はプレスリリースを出し、ビートン夫人が書き残したトースト・サンドイッチこそがイギリスで最も安上がりな料理であるとし、明日11月16日にバーリントン・ハウス(学会のロンドン事務所が置かれている)でこれを再現して試食に供すること、トースト・サンドイッチが「最も安上がりな料理」であることに自信があるので、これよりも経済的なランチタイムの食事(栄養価が同等かそれ以上あって、より安く作ることができる食べ物)を提案した最初の人物に200ポンドの賞金を出すと発表した。 王立化学会がこうしたプレスリリースを出したのは、『家政読本』出版150周年(1861年12月に初版が発行された)を祝うためである。『家政読本』の中から再現する料理を選定するにあたり、王立化学会が原価にして7.5ペンス程度の忘れられたサンドイッチ料理を選んだのは、「長期化が予想される不況を乗り越えるための一助として」であったという(イギリスも含め、世界経済はグレート・リセッションと呼ばれる後退期の中にあった)。『家政読本』に掲載されたレシピの多くは、肉をふんだんに使ってテーブルを埋め尽くすような料理であるが、一方で裕福ではない人々のための料理も含まれており、お金も時間もかけずに済む、知られざる料理を紹介することにしたという。 王立化学会のジョン・エムズリー(英語版)博士は「私も試してみましたが、案外食べられるもので、食べごたえがありますよ (it's surprisingly nice to eat and quite filling)。カロリーとお金が確保できますから、ランチにはトースト・サンドイッチさえあれば他に何も要りません」などと述べている(もちろん「この暗い日々を抜けたら、ビートン夫人の豊かなレシピの殿堂から、もっとお祝いにふさわしい料理を見つけられるでしょう」と付け加えている)。 王立化学会職員のジョン・エドワーズ (Jon Edwards) は、学生時代に激安即席の極致と考えていたテスコのインスタント麺(9ペンス)よりも、安く手軽においしくカロリーが摂れると述べる。エドワーズによれば、21世紀のパンはビタミンやミネラル(カルシウムなど)が豊富であり、ビートン夫人の時代のパンよりも健康的であるという。 バターの代わりにマーガリンを使うことも可能で、カロリーを抑えることができる(マーガリンは1869年に発明されたものであるので、ビートン夫人にはマーガリンを使う選択肢がなかった)。 英国栄養士会(英語版)のスポークスウーマンを務めるメリッサ・リトル (Melissa Little) は、BBCの取材に対し、卵(8ペンス)でたんぱく質を補って腹持ちをよくしたり、缶詰イワシや野菜(キュウリやニンジンなどのスライス)を加えることで、安上がりに栄養素を補うことができると述べている。
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