御所車型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 07:44 UTC 版)
御所車のような形をしているためこのように呼ばれている。菊川市から磐田市までの中東遠地方各地に見られる。屋上には一本柱万度型と同様山車人形を飾る(一部例外もある)。各地でいろいろな型があるが、転売による譲渡や新規の建造などとともに、近年特徴の共通化・混濁化が進んでいる。 代表的なものを以下に示す。 袋井型 日坂型の屋台から発展したもので、四本柱もしくは六本柱である。高欄が擬宝珠で装飾されることもあり、森型の屋台との相違点となっている。(必ずしも擬宝珠で装飾されるわけではない。)天幕(水引幕)による装飾が行われる場合も多い。袋井市周辺に多い。少なくとも確認されている中で一番古い袋井の屋台の記録は、川井村(現在の川井西町/川井中町/川井東町)で江戸時代天保十三年に八坂の宮村から買い入れた朝顔屋台を高欄造りに改修したもので、所謂、高欄御所車型と呼称される屋台の中では分かっている中でかなり古い部類に入る。近年になるにつれて、屋台大工の減少も相まって森型との差異が曖昧になってきている。 森型 四本柱造りで漆塗りを原則とする。水引幕による装飾は行われない場合が多い。正面の出高欄に若衆が乗って屋台を指揮する。周智郡森町に多い。近年になるにつれ袋井型との差異が曖昧になってきている。 掛川型 一般的に欄間の上の斗組・蟇股・支輪がなく、脇障子もない。六本柱造りで、側面前半は高欄・後半は嵌め殺しの建具(格子障子が多い)があしらわれる。また正面の出高欄が大きく作ってあり、ここに子供が乗り、囃子の締太鼓が演奏される(大正期より以前制作の古い型には下記の日坂型同様、出高欄のないものもある)。掛川市中心部に多い。 日坂型 横須賀の禰里の次に古い形の屋台。遠州各地域の屋台の成り立ち、発展に大きな影響を持っている。屋上に「浜床」と言われるベランダ状の部分がなく、正面の出高欄や脇障子もない。また組高欄が障子状になっており、外側に開いているため、俗に「アサガオ屋台」と呼ばれる。主に掛川市東部の日坂地区や八坂地区(事任八幡宮大祭)周辺と、菊川市や牧之原市のごく一部に見られる。 中泉型 障子がなく、掛川型のように出高欄の部分で囃子を演奏する。一本柱万度型の構造に近い。磐田市中泉の府八幡宮祭礼に見られる。 唐破風型 唐破風造りになっており、屋上には山車人形を飾らない。浜松市天竜区春野町および菊川市のごく一部に見られる。
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