後部座席シートベルト義務化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 02:57 UTC 版)
「シートベルト」の記事における「後部座席シートベルト義務化」の解説
2007年に道路交通法が改正され、2008年6月1日から一部の特殊な例外を除いては、従来「努めなければならない」とされていた後部座席のシートベルト着用が、運転席・助手席と同様に義務化された。 これは、非着用者の致死率は着用者の約4倍、非着用の場合、後部座席同乗者が前席乗員に衝突することにより、前席乗員が頭部等に重傷を負う確率が着用の場合の約51倍も増大する、といった調査結果に対し、後部シートベルトの着用率の低さが問題となったことが理由である(高速道路におけるシートベルト着用率は、運転席98.2%・助手席93.0%に対して後部座席12.7%)。諸外国の場合、多くは、すでに後部座席同乗者にシートベルト着用が義務化されており、日本でも義務化に踏みきることとなった。これに違反した場合運転者に対して違反点数(1点)の加点処分が科せられる。なお、警察庁の方針として義務化以後も当面は注意程度に留めるとしていたが、その後に実施した調査の結果、着用率が大幅に上昇したことを理由に、2008年10月以降は加点を伴う取り締まりがされるようになった。 バスの乗客の非着用についても、高速道路及び自動車専用道路では運転手に加点対象となるため、各バス会社は座席にシートベルトの設置及び乗客へのシートベルト着用の呼びかけを行なっている。高速道路及び自動車専用道路以外では反則点の対象になっておらず、また、高速道路等(自動車の最高速度が時速60kmを超える道路)を走行しないバスには、「道路運送車両の保安基準」により運転席及びそれと並列の座席以外への装備が義務づけられていないため、除外される。なお、高速道路等を走行しないバスと同等の構造でありながら、やむをえない理由によって高速道路等を走行する路線バスにおいては、車体後部への保安基準の緩和標章の掲示と、最高時速を60キロ程度に制限する事によって必要最小限の経路の通行が認められている。また、立席乗車さえ禁止すれば、新製時にシートベルトが装備されているかどうかに拘わらず、これらの制限を回避出来るため、南海バスの堺・南港線や三重交通の上野天理線などでは、十分な座席数を確保した高出力エンジンを搭載している路線バス車両を限定運用に充てることで、運転時間の短縮とバリアフリー化の両立を実現している。2019年現在、立ち席用のシートベルトは開発されていない。
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