建物の概況
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旧庁舎棟(床面積7,759m2)と旧議会棟(床面積1,656m2)からなり、鉄筋コンクリート構造地下1階、地上3階、塔屋付(議会棟は一部SRC造)。 設計は清水正喜(岐阜県営繕課主任技師)、矢橋賢吉、佐野利器。施行は銭高組。大理石工事は地元の矢橋大理石商店(現矢橋大理石)。 1923年(大正12年)6月に着工。当初の計画では正面に11階建の塔が建設される予定であったが、同年9月の関東大震災により構造的な見直しを余儀なくされ、急遽変更。塔の建設は中止となる。1924年(大正13年)10月に竣工し、11月1日に落成式が行なわれる。 デザインはモダニズム的志向が見受けられる。立体美、重厚な表現に配慮されていると共に装飾などは最小限に抑えている。また、天窓にステンドグラスを採用し、槍ヶ岳、焼岳、穂高岳、乗鞍岳などの飛騨山脈(北アルプス)を図案化している。平面形は単純なE字形プランであるが、内外装の仕上は素晴らしいという。特に旧知事室、旧会議室等の暖炉や、食堂、手洗所等の大理石装飾は矢橋大理石商店からの寄贈品である。正面玄関などに使用されている大理石は金生山(大垣市)産の石で、古生代二枚貝のシカマイアの化石含み、学術的にも貴重である。 ステンドグラスは当初、岐阜県を象徴する長良川鵜飼、養老の滝をデザインしたものも作成されたが、11階建の塔の建設中止により取り付けられなかった。この2つのステンドグラスは現岐阜県庁舎の県議会棟内に展示されている。 2009年12月11日、県は、老朽化、耐震補強に費用がかかるため、岐阜総合庁舎の解体の計画を発表。土地は岐阜市に売却し、建物のうち本館南側の玄関ホール周辺のみを耐震補強し保存し、庁舎内の機関・団体は他の施設へ移転となった。これにより岐阜振興局は廃止となり、2013年3月31日に閉庁となった。閉庁後、建築当時の状態が良く保存されている建物の南側部分は保存し、残りの部分は解体された。 岐阜県近代化遺産に指定されている。
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