建て替えと共用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 05:14 UTC 版)
2011年(平成23年)3月中旬に起こった東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)以降、防災意識の高まりから、新庁舎の建設が促進された。現在地の余地を生かして建て替える地方自治体もあるが、条例を改正したうえで、他所に建設地を定めて建て替え、移転する例も多い。しかし、財政問題を始めとする諸問題が立ちはだかって建て替えを断念する例もある。また、新しくできる複合商業施設の建物を民営企業と共用する例も出てきた。この場合、役所の存在そのものが所在地域の価値を高めることになり、商業的経済的利点となる可能性がある。商用施設などでのテナント的運用は行政庁の威厳を必ずや低下させるであろうが、日本の警察官が威厳以上に一般人への親しみやすさに重きを置いて交番業務などに力を入れる姿勢があるのと同様、日本の文化、とりわけ現代日本の価値観に照らして、問題視していない当局が少なくないことが分かる。インバウンド需要の急速な拡大で来日する機会が増えた2010年代後半の中国人観光客などから見れば、デパ地下を進んだ先にさり気なく役所の受付カウンターがあるなど考えられないことで、威厳や面子を保つ選択肢しか無い国の常識からすれば、極めて異質な光景と映っている。 2010年代における状況 石巻市役所 本庁舎 2008年に閉店となったさくら野百貨店石巻店の土地建物の譲渡を受けて、2010年に市役所が移転した。1階は食品スーパーなどの店舗が入居している。 土浦市役所 本庁舎 土浦駅西口前の複合商業施設「ウララ」の核店舗であるイトーヨーカ堂が撤退した跡地に、2015年(平成27年)9月24日付で移転した。■右の画像も参照のこと。 筑西市役所 本庁舎 下館SPICA内に「スピカ分庁舎」として一部機能を移転。10年後、本庁舎に昇格。 栃木市役所 本庁舎 福田屋百貨店栃木店の旧建物を改装し、市役所本庁舎として開所したうえで、東武宇都宮百貨店(栃木市役所店)などと建物を供用する。 木更津市役所 駅前庁舎 及び 朝日庁舎 本庁舎の新築計画を延期し、2つの仮庁舎を開所する。1つ目は、木更津駅前商業施設「スパークルシティ木更津」の7階・8階を仮庁舎「駅前庁舎」として、2つ目は、ショッピングセンター「イオンタウン木更津朝日」の2階を仮庁舎「朝日庁舎」として。 さいたま市 岩槻区役所 庁舎 かつての岩槻市役所本庁舎から、岩槻駅東口前複合商業施設内へ移転。 新潟市 中央区役所庁舎 及び ふるまち庁舎 中央区役所庁舎は、超高層ビル「NEXT21」内へ移転。ふるまち庁舎は、新潟大和跡地の再開発ビル「古町ルフル」内へ移転。 北九州市 八幡西区役所 黒崎駅前再開発で建設されたコムシティが早々に経営破綻し、未活用の期間が長く続いたが、最終的には北九州市が買い取り、2013年4月2日に区役所が移設された。 東京都千代田区役所 政府機関の地方支分部局と共同で合同庁舎に入居。
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