廃車・伊賀線転用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/17 17:19 UTC 版)
「関西急行鉄道モ6311形電車」の記事における「廃車・伊賀線転用」の解説
1969年にはモ6311形モ6311 - モ6316がロングシート化され、翌1970年には改軌された志摩線でローカル運用に充当されるようになり、1974年にはモ6311形のうち、扉間クロスシートで残っていたモ6317 - モ6320の4両が新型車の投入により廃車解体された。 1977年、種々雑多な老朽車が多数在籍していた伊賀線の車両体質改善のため、当時在籍していたモ6311・モ6331形の内、20m級へ改造されていたモ6331形2両とモ6331形未改造車の一部を除く以下の11両がモ5000形およびク5100形に改造の上で同線へ転出となった。 モ6311 - モ6316 → モ5001 - モ5006台車を日本車輌製造D-16C・D-18(モ5006のみ)へ、主電動機をTDK-528-Cへ、それぞれ交換。モ5004・モ5006は制御器も日立製作所MMC電動カム軸式制御器へ交換済み。 モ6339 → モ5007台車を日本車輌製造D-18へ、主電動機を東洋電機製造製の端子電圧750V時1時間定格出力75kWのものへ、それぞれ交換。片運転台改造工事施工車であり、伊賀線転入後もそのまま使用された。 モ6331・モ6332・モ6334・モ6335・モ6337 → ク5101 - ク5104台車をKD-32Dのまま電装解除し、改軌。全車片運転台改造工事施工車。なお、これらはいずれも中継弁つきのARブレーキ搭載となり、全車ロングシート化の上で伊賀線へ転出している。 この転用に際しては、両運転台構造のままであったモ6311形が電動車、既に片運転台化されていたモ6331形が原則的に電装解除を実施されて制御車となっており、モ6331形に装架されていた強トルク特性の三菱電機MB-148-AFは、この電装解除と名古屋線残存車の廃車発生品を合わせて全数が1979年に実施された6441系の養老線への転出時に同系列へ順次転用、ラッシュ時の養老線での経済的な1M2T編成の実現に役立てられている。 一方、名古屋線に残存したモ6331形モ6333・モ6336・モ6338・モ6340の4両はその後も同線で運用された後、1979年までに全て廃車解体となっている。 伊賀線へ転出したモ5000・ク5100形は運転台のある妻面の下部に排障器(スカート)を装着するなどのアップデートを施されつつ使用されたが、1986年に奈良線820系の車体と南大阪線6800系の台車・主電動機などを組み合わせた860系などが伊賀線に投入され置き換えられることになった。それにより1986年11月23・24日にさよなら運転会を行い、その後12月1日付で最後の5両が廃車・解体となった。そのため、モ6311・モ6331形に由来する車両は全て現存しない。
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