廃プラスチック再利用

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廃プラスチック再利用

　４月から特定家庭用機器再商品化法（家電リサイクル法）の対象品目に薄型テレビなどが追加されるほか、現行の対象品目であるエアコンや洗濯機などの再商品化率も引き上げられます。家電リサイクル法が強化されていくなかで、商品を開発し、また再資源化に取り組む家電メーカーもリサイクル体制の拡充に乗り出しており、とくに廃プラスチックの再利用に力を入れています。
　シャープと三菱マテリアル、三洋電機、ソニー、日立アプライアンス、富士通ゼネラル、三菱電機の７社が共同出資する家電リサイクル会社「関西リサイクルシステムズ」（大阪府枚方市）は、薄型テレビのリサイクル義務化にあわせて三重県伊賀市の工場で同テレビ専用のリサイクルラインを稼働します。０６年１２月に稼働した同工場はテレビのリサイクル専用です。テレビ以外の現行３品目をリサイクルする工場では、回収した廃プラスチックを洗濯機、冷蔵庫、エアコンなどの家電製品の部品に繰り返し再生使用する「自己循環型マテリアルリサイクル」の材料供給も実施し、使用済み家電から排出される廃プラの再利用を推し進めています。
　三菱電機も０９年秋に、廃家電から出るポリプロピレン（ＰＰ）、ポリスチレン（ＰＳ）、アクリロニトリルブタジエンスチレン（ＡＢＳ）などの混合プラスチックを高純度でリサイクルするシステムを稼働します。複数の樹脂や異物が混入する混合プラは、単一樹脂のリサイクルに比べて分別に時間と手間、コストがかかり、大量の混合プラをリサイクルすることは難しい状況でした。三菱電機はこの混合プラの中からＰＰとＰＳ、ＡＢＳを９９％以上の純度で分別回収し、年間約６４００トンを自社の家電製品に再利用する計画です。これまでの利用量の約６００トンが飛躍的に高まります。
　自動車バンパーや食品・飲料メーカーのコンテナ・ケースなど廃プラスチックをリサイクルする専業処理業者の協和産業（埼玉県鴻巣市）も廃家電の混合プラを分別・再資源化する新技術を開発しました。ＡＢＳやＰＳをほぼ１００％の純度で回収できる技術で、今夏にプラントの販売を始めるほか、今後拡大する家電リサイクルに対応するため自社工場でも混合プラの処理事業を始めます。協和産業のプラントは比重の差によってプラスチックを分別する比重分離技術と、日立造船が保有する静電分離技術を組み合わせてつくりました。静電分離は樹脂に帯電し、その状態の差で複数の樹脂を分離・抽出するものです。これによりＰＰとＡＢＳ、ＰＳなどの樹脂の種類のほか、難燃剤の混合の有無による分別も可能になるとしています。


（掲載日：2009/03/30）