常用漢字における字体統合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 16:29 UTC 版)
「応」の字は本来、旧字体(「應」)の略字(省略形に基づく異体字)であるが、「鷹」の字と同じ音符の字(「雁」の字に「厂」〈がんだれ〉から「广」〈まだれ〉に変えたもの)を持つ。この音符の字は「鷹」の原字(本字)でもあり、下部の「鳥」はのちに意味合いの理由で後付けされたものとされる(なお、「応(應)」は、「广(げん)」と片仮名の「ツ」と「一」【应】が中国簡体字標準の字体である)。 「集」の字、そもそも「雧」(「隹〈ふるとり〉」3つと「木」から成る会意文字)であるが、これは「焦」の字にも通ずる。なお、「集」は人屋根(単体での表記上は「人」扱い)に「一」(実質横棒扱い、)=亼(しゅう))の略字も存在するが単体では現在使われておらず、「会」や「今」等の字で字形構成(※ほとんどが形声文字)に用いられるのみである。 「示」「衣」はそれぞれ現行の字形において偏部にするとそれぞれ片仮名の「ネ」に酷似する(ただし、書き順は若干異なる)。 「缶(カン・ほとぎ)」「虫(むし・まむし)」などが常用·教育漢字に採用された時、多くは一部の字形を省略して二つの字の意味·用例を一つの字形にまとめることが多い。 「協」は本来「恊」と表記していたが、「立心偏」の部分の点画が線画に省略されて「十〈十偏〉になったという説が濃厚である[要検証 – ノート]。この他でも、「博」の字の異体字「愽」が存在する。 「浜」は「濱」の中国簡略体(滨)をさらに省略したもの(氵〈さんずい〉+兵の合字)を親字にして我が国の常用漢字にしている[要検証 – ノート]。なお「賓」の中国簡略体も字形構成が同じで、「浜」はこの用例に倣ったものである[要検証 – ノート]。 「協」「轟」「澁」「晶」「聶」「森」「攝」「壘」などの字は下の2つの同字の部分を4つの点に書き換えた略字もある。(例:「𫝓」「軣」「渋」「摂」「塁」など)また、「協」の字は4つの点を書き換えるのも画数が同じでもある。 新字体の「斉」、「斎」は、旧字体の「齊」、「齋」を書き換えた略字でもある。 「田」の字3つ(=「畾(らい、音符)」)を「田」としたもの。(「靁→「雷」、「疊」→「畳」) 「曹」の字の上の部分は成り立ちで「東」の字が2つでのちに省略した略字である(「漕」、「遭」、「槽」、「糟」などは全て成り立ちは同じ)。 「傘」は中の部分に「十」をしたもの。
※この「常用漢字における字体統合」の解説は、「略字」の解説の一部です。
「常用漢字における字体統合」を含む「略字」の記事については、「略字」の概要を参照ください。
- 常用漢字における字体統合のページへのリンク