市村産業賞とは? わかりやすく解説

市村賞

(市村産業賞 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/20 03:56 UTC 版)

市村賞(いちむらしょう)は、実業家・市村清の発案により、公益財団法人市村清新技術財団が主催する科学技術分野の賞である。

概説

科学技術の進歩とその果実としての産業の発展を対象として、産業分野、学術分野で多大の貢献を為した個人またはグループを表彰する。 主催者である財団の設立趣意から、日本国内の産業力強化に資する観点が重視されていることが特徴である。

創設者の市村清は企業集団であるリコー三愛グループの創始者である。市村は産業の国際競争における技術革新の重要性を説き、国内産業の競争力強化のために研究開発を推進することを目的とした財団法人の設立を発案する。この財団法人新技術開発財団は1968年12月12日に設立が認可され、直後に亡くなった市村の遺産である有価証券30億円相当(当時)を基に発足する。同財団は2018年に公益財団法人市村清新技術財団に名称を変更している。

第1回(1969年)から第54回(2022年)までで、本賞27件、特別賞3件、功績賞(奨励賞)214件、貢献賞(アイデア賞)487件、計731件が贈呈されている[1]

賞の種類

市村産業賞

優れた国産技術を開発することで、産業分野の発展に貢献・功績のあった技術研究者またはグループに授与する。本賞授与の場合は事業経営者とともに表彰する。ただし薬物およびソフトのみのものを除く。

市村産業賞
賞の種類 件数 副賞
本賞 原則1件 賞金(2000万円)、記念碑
功績賞 原則2件 賞金(500万円)、記念碑
貢献賞 原則5件 賞金(300万円)、記念碑

※特筆に値するものに限る。

受賞候補は主催者が関係機関に推薦を依頼するとともに、広く一般からも自薦・他薦を受け付ける。

過去の受賞一覧

市村清新技術財団へのリンク

市村学術賞

大学ならびに研究機関で行われた研究のうち、学術分野の進展に貢献し、実用化の可能性のある研究に功績のあった技術研究者またはグループに授与する。

市村学術賞
賞の種類 件数 副賞
特別賞※ --- 賞金(2000万円)、記念碑
本賞 原則1件 賞金(2000万円)、記念碑
功績賞 原則2件 賞金(500万円)、記念碑
貢献賞 原則5件 賞金(300万円)、記念碑

※特筆に値するものに限る。

受賞候補は所属機関長(総長・学長、研究科長、理事長、研究所長等)の推薦により受け付けられる。過去に奨励賞(現功績賞)、アイデア賞(現貢献賞)も存在した。

過去の受賞一覧

市村清新技術財団へのリンク

市村地球環境産業賞

地球温暖化防止に関する産業分野を対象に、優れた国産技術を開発することで、産業分野の発展に貢献・功績のあった技術研究者またはグループに授与する。

市村地球環境産業賞
賞の種類 件数 副賞
特別賞 --- 賞金(2000万円)、記念碑
功績賞 原則1件 賞金(500万円)、記念碑
貢献賞 原則2件 賞金(300万円)、記念碑

※ 特に顕著な業績に対して贈呈することがある。

過去の受賞一覧

市村清新技術財団へのリンク

市村地球環境学術賞

地球温暖化防止に関する地球温暖化対策に関する学術分野を対象に、大学ならびに研究機関で行われた研究のうち、 顕著な成果により当該学術分野の進展に多大な貢献をされた個人またはグループに贈呈する。

市村地球環境学術賞
賞の種類 件数 副賞
特別賞 --- 賞金(2000万円)、記念碑
功績賞 原則1件 賞金(500万円)、記念碑
貢献賞 原則2件 賞金(300万円)、記念碑

※特筆に値するものに限る。

過去の受賞一覧

市村清新技術財団へのリンク

沿革

  • 1968年12月12日 - 財団法人新技術開発事業団の設立が認可される。
  • 1968年12月16日 - 市村清、死去。この後、遺産が財団に寄贈される。
  • 1969年 - 第1回市村賞。
  • 1976年 - 第8回市村賞より授与対象が産業の部と学術の部に分けられる。
  • 1990年 - 第22回市村賞より産業の部、学術の部をそれぞれ「市村産業賞」「市村学術賞」とする。
  • 2018年 - 第51回市村賞より市村地球環境学術賞、市村地球環境学術賞を加える。

脚注

  1. ^ 市村賞贈呈”. 公益財団法人市村清新技術財団. 2023年1月29日閲覧。

外部リンク


市村産業賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 08:24 UTC 版)

市村賞」の記事における「市村産業賞」の解説

優れた国産技術開発することで、産業分野発展貢献功績のあった技術研究者またはグループ授与する。本賞授与場合事業経営とともに表彰する。ただし薬物およびソフトのみのものを除く。 市村産業賞賞の種類件数副賞本賞 原則1件 賞金(2000万円)、記念碑 功績原則2件 賞金(500万円)、記念碑 貢献原則5件 賞金(300万円)、記念碑 受賞候補主催者関係機関推薦依頼するとともに広く一般からも自薦他薦受け付ける。 本賞受賞者 安得三、井本商三、谷包和、塚原重美受賞理由:新規多価イオン伝導性固体創成環境汚染ガスセンサへの実用化 立石一真山本通隆、水田幸男、東村禎三、内藤進義、田中寿雄受賞理由:無人化システム駅務合理化システム)の開発 土光敏夫本間勉、窪田亮受賞理由:新聞ファックス開発 土光敏夫吉山博吉伊藤糾次、滋賀弘一郎難波進、大野受賞理由:イオン注入法による半導体素子開発 山下勇菊井敬三、野口忠男、岡田受賞理由:バージインテグレータの開発 吉山博吉川崎淳、藤本好司、佐野太一郎受賞理由:文字認識技術の開発実用化 大嶽孝夫西口高清、村山洋一山口聖一大田光思受賞理由:高周波励起方式イオン化めっき技術 吉山博吉原田達男、喜多敏昭、森山茂受賞理由:収差補正凹面回折格子開発実用化 三田勝茂竹本一八男、増田美智雄、藤田受賞理由:家庭用単板半導体カラーカメラの開発 関本忠弘黒田隆二、北爪進受賞理由:高信頼度衛星塔載通信機器開発・実用化 金井務森欣司中西宏明増田崇雄受賞理由:自律分散計算機制御システム 金井務小林二三幸、安斎昭夫受賞理由:超高速1モジュールプロセッサの開発 西室泰三白田一郎中根正義舛岡富士雄受賞理由:大容量NAND型フラッシュメモリ開発とその応用分野開拓 野間口有松井充山岸篤弘、時田俊雄受賞理由:第3世代携帯電話W-CDMA国際標準暗号技術開発実用化 岡村正渡邊敏明、菊池義浩、中條受賞理由:情報通信における動画像誤り耐性技術の開発実用化 清水康夫受賞理由:電動式パワーステアリング開発と普及市場拡大 濱辺二郎吉田尚正受賞理由:移動通信システム送信電力制御技術 門田道雄中尾武志、西山健次受賞理由:平坦化SiO2膜/Cu電極/基板構造小型弾性表面波デュプレクサ 宗岡正二宇野智裕、山田隆受賞理由:LSI新型高機能ボンディングワイヤの開発 中嶋成博、野口仁斉藤真二、萬代俊博受賞理由:バリウムフェライト磁性体用いた大容量データテープの開発量産化 豊田章男能登博則、高山干城近藤政彰受賞理由:トヨタフューエルセルシステムTFCSの開発 倉井敏磨加藤宣之西村喜男、福島正受理由:高屈折率・低複屈折特殊ポリカーボネート樹脂開発 三津家正之野村純宏、川西英治、植田喜一受賞理由:逆転の発想から生まれた2型糖尿病治療薬カナグリフロジン 中川弘靖原昌宏渡部元秋受賞理由:二次元コード開発進化 北野嘉久奥山悟郎、岸本康夫小笠原炭化水素燃料バーナー利用したクロム鉱石溶融還元プロセス

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