巨砲混載艦とは? わかりやすく解説

巨砲混載艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 02:05 UTC 版)

弩級戦艦」の記事における「巨砲混載艦」の解説

より強力な戦艦作るための1つアプローチとして、副砲減らし代わりにより大口径の砲、たとえば9.2インチ (234 mm) あるいは10インチ (254 mm) の砲を装備するという手段がある。そうした戦艦一般に「巨砲混載艦」、のちには「準弩級戦艦と言われイギリスのキング・エドワード7世級やロード・ネルソン級フランスダントン級日本薩摩型などがそれに当たる。これらの戦艦設計にあたっては、その過程でしばしば「単一口径巨砲」という選択肢についても議論されていた。 「アメリカ海軍協会報 (Proceedings of the US Naval Institute)」1902年6月号には、アメリカ海軍主導的な砲術専門家であるP・Rアルジャー教授の、12インチ (305 mm) 砲8門を連装砲塔4基に納めるという提案掲載されている。建艦補修局 (Bureau of Construction and Repair) は1902年5月12門の10インチ (254 mm) 砲を連装砲塔納め前後に2基、両舷に4基配置する戦艦提案行ったH・C・パウンドストーン少佐はより大きな戦艦に関する建白書1902年12月セオドア・ルーズベルト大統領提出したが、その文書付属別紙において、多数11インチ (279 mm) 砲と9インチ (229 mm) 砲は、より少ない数の12インチ砲と9インチ砲より好ましいと述べている。海軍大学校建艦補修局は、1903年から1905年にかけての研究単一巨砲アイデアつかんだ。すなわち、1903年7月開始され兵棋演習において、『11インチ (279 mm) か12インチ (305 mm) の砲を六角形配置した戦艦1隻は、在来戦艦の3隻またはそれ以上匹敵する』ことが明らかになったのであるイギリス海軍でも同様な流れ生じていた。1902年から1903年にかけて、備砲2種類口径を持つ大口径砲(すなわち12インチ (305 mm) 砲4門と9.2インチ (234 mm) 砲12門など)とする設計提出されたが、結局海軍本部は、1903–04年の建艦計画ではキング・エドワード7世級(12インチ、9.2インチ、6インチ (152 mm) の混載)をもう3隻造るという決定下した。この考え190405年の計画復活しロード・ネルソン級となった同級は、船体中央部長さ船体幅の制約から、中央の9.2インチ砲の砲塔連装でなく単装となったが、12インチ砲4門と、9.2インチ10門を備え、6インチ砲は持たなかった。この設計者J・H・ナーベスは12インチ12門という代替案提出していたが、海軍本部にはまだそれを受け入れ用意ができていなかった。多種口径砲の混載背景には、日露戦争もたらした国際緊張対応するために出来るだけ早く戦艦建造するという差し迫った理由があった。

※この「巨砲混載艦」の解説は、「弩級戦艦」の解説の一部です。
「巨砲混載艦」を含む「弩級戦艦」の記事については、「弩級戦艦」の概要を参照ください。

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