山梨実験線基本データ
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「リニア実験線」の記事における「山梨実験線基本データ」の解説
延長距離:全長42.8 kmのうち、先行区間18.4 km先行区間起点:山梨県大月市笹子町笹子 先行区間終点:山梨県都留市朝日曽雌 複線区間:先行区間のほぼ全線全線の内、大部分(約16 km)がトンネル区間である。 開設:1997年(平成9年) 最急勾配:40 ‰ 最小曲線半径:8,000 m 最寄の鉄道駅:田野倉駅、禾生駅(富士山麓電気鉄道富士急行線) 山梨実験線は甲府側を起点としており、笛吹市境川が起点、上野原市秋山が終点とされている。起点から16.6 km地点が先行区間の起点で大月市に位置しており、35.0 km地点が先行区間の終点で都留市に位置している。先行区間のほとんどは複線であり、北側の線を北線、南側の線を南線と呼んで区別している。 先行区間起点は笹子トンネルの中に位置しており、終点へ向けて最初から40 ‰の最急の下り勾配になっている。笹子トンネル自体はより長いトンネルであるが、先行区間で供用されているのは5,983 mである。中間のわずかな明かり区間をはさみ、初狩トンネル(463 m)、高川トンネル(3,960 m)がある。高川トンネル内には半径8,000 mの最急曲線が存在する。この半径8,000 mの横曲線は、縦曲線(28 ‰ ~ 3 ‰勾配変更の緩和曲線)と複合曲線(横曲線・縦曲線各々の超過遠心力を打ち消し合う)を構成する。 高川トンネルを出ると、実験線でもっとも長い1.4 kmの明かり区間がある。この区間の北側に実験センターと山梨県立リニア見学センターがある。また南側には電力変換所が設置されている。実験センターを過ぎると、中央自動車道富士吉田線を跨ぎ越す全長132 mの小形山架道橋を横断する。日本の鉄道橋として初めてニールセンローゼ形式のアーチ橋を採用した。1995年(平成7年)11月7日には、高速道路脇で組み立てたアーチを回転させて道路を跨ぎ越して架設する工事が行われ、高速道路を通行止めにしたうえで約45分を掛けて回転した。末端部の移動距離は約66 m、回転角度は約30 度であった。またこの明かり区間では東側で桂川・国道139号・富士急行線も全長296 mの桂川橋梁で跨ぎこす。 最大の明かり区間を過ぎると、九鬼トンネル(3,927 m)、朝日トンネル(1,793 m)があって、朝日トンネルを出たところで先行区間終点となる。九鬼トンネル内から朝日トンネルの中間付近まで40 ‰の上り勾配となる。先行区間の終点付近には実験線の車両基地があり、液体ヘリウムの精製作業や超電導磁石の励磁作業などもここで行われている。
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