導入後の誤審
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 21:35 UTC 版)
MLBでは、2015年5月13日のロサンゼルス・ドジャース対マイアミ・マーリンズ戦4回、ドジャースのハウィー・ケンドリックが放ったライトへの浅いフライに対し、マーリンズのジャンカルロ・スタントンがダイビングキャッチを試みた。判定は直接キャッチしたとしてアウトになったが、ドジャースはチャレンジを要求。しかし、ビデオ判定でも判定は覆らず、なおも抗議したドジャース監督のドン・マッティングリーは退場処分を受け、試合はドジャースが1点差で敗れた。 その後MLB機構が再確認したところ、打球は捕球前にグラウンドでバウンドしている事が判明。翌日に誤審を認め、ドジャース側に謝罪した。この件について、マッティングリーは「審判に責任はない。責任はニューヨークのオペレーション本部にある」と語った。 NPBでは、2015年9月12日の阪神タイガース対広島東洋カープ(阪神甲子園球場)の延長12回表に、田中広輔が放ったセンターへの打球が、フェンスを越えた所に張られた観客が上らないよう設置されたワイヤー(通称忍者返し)に跳ね返り、グラウンド内へ戻った。審判はこれをフェンス上段に当たった三塁打と判定し、広島側の求めに応じたビデオ判定が行われた後も、結果は覆らなかった。その後後続が倒れ無得点となり、12回裏の阪神の攻撃でも得点が入らず、試合は引き分けとなった。 9月14日にNPBは「実際はホームランだった」として誤審を認めた。機構は「審判がワイヤーに当たって跳ね返ることを想定しておらず、フェンスの上段に当たったと思い込んでしまった」と説明した。一方で記録の訂正は行われず、試合結果も引き分けで確定した。同年10月7日に行われた対中日ドラゴンズとのシーズン最終試合に広島は負けてセ・リーグ4位となったが、先の試合でもし広島が勝っていれば、ゲーム差は無いものの、対戦成績の差で阪神に代わって3位となるだけでなく、クライマックスシリーズにも出場できる計算になるため、結果論ではあるが影響は大きいと言える。 2018年6月22日のオリックス・バファローズ対福岡ソフトバンクホークス(ほっともっとフィールド神戸)の延長10回表に、中村晃が放ったライトポール際の打球がファウルと判定された。打った中村本人はファウルだと納得して打席に戻り、その様子を見たソフトバンクの監督の工藤公康もリクエストを行使しないつもりでいたが、打撃コーチの藤本博史が念のためにリクエストを行うように提案。工藤がリクエストを要求し、リプレー検証の結果判定が覆りホームランとなった。試合はソフトバンクがそのホームランで挙げた2点を守り切り勝利した。オリックスの監督の福良淳一は「誰が見てもファウル」と判定に対して試合終了後も審判団に抗議、福良と審判団が審判控室で映像を検証した結果、責任審判の二塁塁審を務めていた佐々木昌信は試合終了1時間後に報道陣に対し誤審であったことを認め、NPBに対しても報告することを発表した。提訴試合にはならず、本塁打や試合の勝敗は訂正されなかった。
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