将来の装輪戦闘車両
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「将来装輪戦闘車両」の記事における「将来の装輪戦闘車両」の解説
「将来の装輪戦闘車両」とは防衛省が将来的に装備化する各種汎用装輪戦闘車両のことである。 総合取得改革推進プロジェクトチーム第9回会合(2008年3月10日)の資料(【資料5】統合運用の視点に立った装備品取得について)に、当初の構想図とは異なる、将来の装輪戦闘車両のファミリー化構想図が記載された。 共通の駆動装置を用いることを基本に、車両の用途に応じて共通化する項目を3つに分類している。それぞれ、 ハッチタイプ車両とキャビンタイプ車両の車体をタイプ別に共通化 砲を搭載するハッチタイプ車両の懸架装置を共通化 機関砲を搭載するハッチタイプ車両の機関砲を共通化 といった内容である。 ハッチタイプ車両人員輸送車指揮通信車補給車支援車対戦車砲搭載車迫撃砲搭載車対地機関砲搭載車(I型)(人員輸送型)対地機関砲搭載車(II型)(偵察型)対空機関砲搭載車 キャビンタイプ車両りゅう弾砲搭載車多連装ロケット弾発射機地雷原処理車 ※各車両型の名称は「平成20年度 事後の事業評価」の政策評価書のものに変更。 この図の内、対戦車砲を搭載した車両は「16式機動戦闘車」、対地機関砲を搭載した車両は計画中の「近接戦闘車」と同じ位置付けの車両と考えられるが、将来の装輪戦闘車両との共通化が行われるとされた「NBC偵察車」と同じ位置付けの車両が含まれていない。また、研究試作された「将来装輪戦闘車両」をベース車両とするのかという点についても記述されていない。 りゅう弾砲搭載車は「19式装輪自走155mmりゅう弾砲」として制式化されたが、ドイツのMAN社製の車体を用いており、明確に「将来装輪戦闘車両」の要素は使用されていない。ハッチタイプの人員輸送車・指揮通信車・補給車支援車、キャビンタイプの地雷原処理車は、開発中のハッチタイプである「装輪装甲車 (改)」が相当し、こちらは既存車両や民生品の技術・部品を活用するとあるが、「将来装輪戦闘車両」の要素使用について具体的な記述はなく、開発も中止された。 このように上記のファミリー化構想図はあくまで机上プランで終始しており、実際には装輪戦車型・装輪装甲車型・装輪自走榴弾砲型の3つに大別して開発が行われている。 16式機動戦闘車 ゲリラや特殊部隊による攻撃等への対処や、中距離域において軽戦車を含む装甲戦闘車両の撃破に使用可能な火力として105mm砲を装備するとされており、空輸性や路上機動性を重視し重量は26t以下とされている。戦闘部隊に配備される予定。 2008年(平成20年)度に開発が開始され、2016年(平成28年)度に開発完了している。 近接戦闘車 砲塔には国産開発のテレスコープ弾機関砲(CTA機関砲)を装備。弾種は徹甲弾と調整破片弾の二種類のテレスコープ弾 (Cased Telescoped Ammunition) が用意され、状況に応じて迅速な弾種切替を可能にさせるという。 87式偵察警戒車の後継とされる「偵察型」と、89式装甲戦闘車の後継とされる「人員輸送型」が計画されており、前者には対地センサが装備されるという。 普通科部隊及び機甲科偵察部隊に配備される予定。要素研究が行われたが、開発計画については未定。
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