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寺島町

(寺島村 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/23 23:55 UTC 版)

てらじままち/てらじまちょう
寺島町
廃止日 1932年10月1日
廃止理由 編入合併
隅田町寺島町吾嬬町東京市向島区
現在の自治体 墨田区
廃止時点のデータ
日本
地方 関東地方
都道府県 東京府
南葛飾郡
市町村コード なし(導入前に廃止)
面積 2.08 km2
総人口 48,978
国勢調査1930年
隣接自治体 東京市、南葛飾郡隅田町、吾嬬町
寺島町役場
所在地 東京府南葛飾郡寺島町大字寺島字中堰1664-1667番地
座標 北緯35度43分16秒 東経139度49分06秒 / 北緯35.72106度 東経139.81831度 / 35.72106; 139.81831座標: 北緯35度43分16秒 東経139度49分06秒 / 北緯35.72106度 東経139.81831度 / 35.72106; 139.81831
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寺島町(てらじままち、てらじまちょう)は、かつて東京府南葛飾郡に存在した町である。

現在の墨田区北部に相当する。

沿革

寺島村の起源

鎌倉時代、当地に法泉寺、蓮華寺の2寺が開基され、これが機縁となり、寺島/寺嶋と呼称されるに至った。1398年応永5年)の葛西御厨(伊勢神宮に寄進された荘園)の郷名の一つとして、寺嶋の名が記録されている。

江戸時代には将軍家の鷹場(御拳場/おこぶしば)の一つである「葛西筋」45箇村の内に含まれ、鷹狩の場としても活用された。

その後区の再編により墨田区となってからも「寺島町」は地名として使用されていたが、1964年(昭和39年)7月1日に墨田区で住居表示の施行が開始[1]。寺島町三丁目の全域が堤通一丁目・二丁目、寺島町一丁目の一部が向島五丁目、寺島町二丁目の一部が向島四丁目、寺島町四丁目の一部が押上二丁目となった。その後も各所で住居表示が施行され、12月1日に寺島町八丁目が八広一・五丁目、寺島町六丁目の一部が八広六丁目となったことにより、寺島町の名は消滅した。

町長

字名・現在の地名

明治44年時点での大字・字・番地

出典[2] 「馬場」等の名称は、明治8年(1875)、従来の小名や、耕地等に付けられた字名を整理して、新たに行政上の字の名称として定められたものである。

  • 大字寺島
    • 馬場 1~286番地
    • 北玉ノ井 287~530番地
    • 本玉ノ井 531~827番地
    • 長浦 828~981番地
    • 北居村 982~1221番地
    • 南居村 1222~1414番地
    • 前沼 1415~1594番地
    • 中堰 1595~1709番地
    • 新田 1710~2127番地
    • 深瀬入 2128~2285番地
    • 水道向 2286~2740番地
    • 堤外 2741~2960番地
  • 大字中ノ郷
    • 殿田 204~211番地
  • 大字隅田
    • 寺島境 1254~1255番地
  • 大字若宮
    • 大道南 246~250番地
  • 大字大畑
    • 西 778~785番地
  • 大字請地
    • 葭沼 1035~1036、1051~1099番地
    • 沼田 1100~1101、1213~1224番地
    • 大畑前 1225~1268番地
  • 大字須崎
    • 殿田 252~317番地

昭和5年改正後の大字名

    • 一丁目
    • 二丁目
    • 三丁目
    • 四丁目
    • 五丁目
    • 六丁目
    • 七丁目
    • 八丁目

昭和39~40年住居表示施行後の地名

出典[1]

  • 墨田一丁目(全域)、二丁目~四丁目(各一部)
  • 東向島一丁目~六丁目(全域)
  • 堤通一丁目(全域)、二丁目(一部)
  • 向島四丁目・五丁目(各一部)
  • 押上二丁目(一部)
  • 京島一丁目~三丁目(各一部)
  • 八広一丁目・五丁目・六丁目(各一部)

神社仏閣

神社

  • 多賀神社(東向島3-18)向島百花園内。

寺院

教育

小学校

中学校

高等学校

図書館

  • 寺島図書館

関連作品

評伝

  • 『幸田露伴』塩谷賛
  • 『小倉常吉伝』奥田英雄 昭和51年(1976)
  • 『滝田ゆう奇譚』深谷考 平成18年(2006)
  • 『ぬけられますか—私漫画家 滝田ゆう』校條剛 平成18年(2006)

小説

詩歌

  • 北原白秋「片恋」(詩集『東京景物詩乃其他』)

漫画

  • 『寺島町奇譚』滝田ゆう

絵画

  • 『雪に暮るる寺島村』川瀬巴水 大正9年(1920)(「東京十二題」の内)
  • 『白ひげ橋』藤牧義夫 昭和8年(1933)
  • 『隅田川両岸画巻』藤牧義夫 昭和9年(1934)

落語

  • 白鬚橋

演劇

  • 歌舞伎『青砥稿花紅彩画』(弁天小僧)
  • 『濹東綺譚』
  • 『おとうと』

映画

  • 『おとうと』
  • 『濹東綺譚』
  • 『濹東綺譚』

ドラマ

  • 『ドブネズミ色の街』昭和38年(1963)12月28日放送 NHK「テレビ指定席」
  • 『寺島町奇譚』昭和51年(1976)NHK「土曜ドラマ」
  • 『おとうと』平成2年(1990)TBS「月曜ドラマスペシャル」

交通

舟運

  • 橋場の渡し(白鬚の渡し) ほぼ現在の白鬚橋の位置に当たる。対岸の橋場に渡していた。
  • 寺島の渡し(中の渡し) 平作堀(現在の墨堤通りの墨田区立堤通公園、首都高速道路向島出口附近)から、対岸の橋場今戸の境界附近に渡していた。昭和9年(1934)頃まで存在した。

一銭蒸気

1区画の運賃が1銭であったことから「一銭蒸気」と称された蒸気船で、千住吾妻汽船会社(後に吾妻急行汽船)等の会社によって運行された。寺島村の区域内では、現在の白鬚橋の位置に「小松島」停留所があった。

鉄道

バス

  • 京成バス
  • 都営バス

道路

  • 墨堤通り
  • 地蔵坂通り
  • 薬師道
  • 大師道
  • 曳舟川通り
  • 大正通り
  • いろは通り
  • 平和通り
  • 鳩の街
  • 水戸街道
  • 明治通り

名所/名園

  • 百花園(向島百花園)
  • 岐雲園 岩瀬忠震(岩瀬鷗所。元外国奉行)が蟄居して住んで命名した庭園で、明治維新後には永井尚志、幸田露伴なども住んだ。大正時代には三共会社のベークライト工場の敷地となり、住友ベークライトの時代まで、長らく工場用地として活用された。平成12年(2000)以降は墨田区立白鬚公園の一画となっている。
  • 八洲園/小松島遊園 小野義真(日本鉄道社長)の別邸で、隅田川のほとりに広大な池を有した。後に日本電気精器の敷地となった。平成6年(1994)大林組のリバーサイド隅田が竣工した。
  • 大倉別邸 大倉喜八郎の別邸で、邸宅の一部は船橋ヘルスセンターに移築され、共栄倉庫の敷地となった。
  • 小倉別邸 小倉常吉(小倉石油社長)の別邸で、鍋島家の別邸跡に池田家の屋敷を移築した広壮な邸宅であった。跡地は、向島労働基準監督署、墨田区立あおやぎ保育園、ライオンズマンション東向島ほか一般的な住宅地となっている。

産業

農業

寺島村であった当時は農業が盛んな地域であり、特にナスの生産で名高かった。蔓細千成種のナスが多く作られた。当地で作られたナスは復活され「寺島茄子」の名で呼ばれる。

『隅田の町々』(昭和55年墨田区発行)記載の農作物
  • しそ(紫蘇)
  • しょうが(生姜)
  • はす(蓮)
  • くわい(慈姑)

商業

『隅田の町々』(昭和55年墨田区発行)記載の産業
  • 玩具製造
  • 植木鉢
  • 紙加工(「ぶんこ屋」「ひょうし屋」と呼称された。)
  • 紺屋・型付屋(染色)

会社/工場

明治44年(1911)「東京府南葛飾郡 隅田村・寺嶋村・吾嬬村」地図記載の会社・工場名
  • 日本電線会社
  • 久野鉄工場
  • 日本ギプス工場
  • 藤本煉化石工場
  • 関東硫曹分工場
  • 染絨会社
  • 向島染工場、谷岡染工場、玉川染工場、重城染工場
  • 高見沢メリヤス工場

大工場

  • サトウライト(後に三共会社、日本ベークライト、住友ベークライト)向島工場 大正5年(1916)~昭和62年(1987)
  • 久保田鉄工
  • 日本電気精器

脚注

関連項目




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