富岳事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 07:52 UTC 版)
くれづき事件から4年後、怪獣は尖閣諸島の南小島に現れる。海上保安庁の巡視船「やえやま」が姿を捉えるが、見守るしかない中、怪獣は南小島に上陸する。そこに中国の海警船が数隻現れ、混乱に乗じて南小島へ接近する。怪獣の接近を受け海警船は30mm機関砲で応戦、火器が有効であることは分かるも怪獣の突進を受けて沈没する。別の海警船が救助に向かうも怪獣により沈没、やえやまは一旦退避する。怪獣は尖閣諸島から消えた後、やえやまが中国海警の船員を救助するが、船員は怪獣が人を喰っていた(捕食)と証言する。海警船を襲う怪獣の映像は中国のテレビ局が報じ、世界は怪獣の存在を知ることになる。 そのころ、豪華クルーズ船「富岳」は尖閣諸島の南方、西表島近海を航行していた。多くの乗客を乗せる富岳は怪獣のターゲットとなり、怪獣の襲撃を受ける。政府は内閣対策本部を組織し対応に当たっていたが、国際協調路線の神谷総理は、アメリカや中国との連絡を重視し、自衛隊の出動をためらう。その間にも怪獣は富岳を襲撃し、艦橋の船長らクルーズ船幹部は怪獣に喰われ指揮系統を失い、さらに怪獣は船底に張り付き、複数の触手を出して乗客を次々に捕食していく。 一方、海上自衛隊の弘原海海将補は、特殊回線にて富岳に乗船している防人このえに連絡を取る。このえは防衛大学を卒業したばかりで任官前の幹部候補生であり、すでに船内の乗客の救助に当たっていた。弘原海の依頼でこのえは富岳の情報収集・報告の任を受ける。このえは怪獣が"音"に反応していることを突き止め、乗客らを船内の映画館などに誘導する。それでも音に反応した怪獣の襲撃を受けるが、奮闘するこのえに触発された一部乗員・乗客らは一丸となって怪獣に立ち向かい、侵入した触手を撃退するなど勇戦する。船内の悲惨な状況報告を受けながらも、自衛隊出動をためらう神谷総理は、現場に海上保安庁の特殊部隊、SST(特殊警備隊)を出動させるも、音に反応する怪獣情報の連絡を受けておらず、SSTはヘリコプターごと怪獣に沈められる。 テレビ局の新人佐都美沙は、乗客男性の動画配信を見て、昔の同級生であるこのえが富岳で戦うシーンを目にする。政府の重い腰を上げさせるため、美沙は一計を案じる。自身がこのえの同級生であることを上司に明かし、このえに連絡し、その内容をテレビで中継する。世論が動くと判断した神谷総理は、ついに自衛隊に災害派遣として出動を要請、4年前に怪獣に沈没させられた「くれづき」の同型艦「あけづき」が現場に急行する。あけづきには、元くれづき砲雷長の大和2佐も乗艦していた。あけづきは新型の18式魚雷を、富岳の船底に張り付く怪獣に発射し、怪獣を粉砕・駆逐する。小型の救助艇に避難していたこのえと祖母、乗客の少年らは魚雷のバブルパルスの衝撃で沈没しそうになるが、このえが救助する。しかし少年の救助を優先した結果、このえの祖母は溺死する。
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