実用性からの独立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/17 01:23 UTC 版)
@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}応用美術や大衆芸術と区別されるファインアートの概念は18世紀後半のヨーロッパにおいて確立した[要出典]。その芸術的価値だけではなく、他の実用的価値を持つものを応用芸術、大衆の娯楽のためのものを大衆芸術と呼び、そのいずれにも属せず、芸術的価値を専らにする活動や作品をファインアートと呼ぶようになった。 視覚芸術すなわち美術の分野を例に採れば、これらはもともと建築物や家具、食器、衣服などへの装飾であった。ところが壁画が板絵、タブローとなって壁から離れ、構造物への彫刻も、彫像だけが独立し、もとの建築物との直接の関係がなく制作されるようになり、独自のジャンルとして絵画、彫刻が発展した。この背景にはテンペラや油彩が発明されるという技術的要素や、絵画、彫刻が商品として売り買いされるという当時の社会経済状況がある。すなわち装飾性が、他の実用的機能と切り離されて制作されて発展し、装飾性は芸術性に格上げされる。ここにおいて、他の実用性から独立した芸術的価値という概念が産まれた。装飾性から芸術性への格上げには作家の個性を重んじる思想がある。実用的機能と切り離されることによって、作家の個性による創造性がもっとも発揮される。 1648年にフランス王立絵画彫刻アカデミーが、1669年に音楽アカデミー、1671年に建築アカデミーができていた。1816年にこれらを合体したフランス芸術アカデミーが誕生する。これからファインアート、フランス語でボザール(Beaux-Arts)の概念を窺い知ることができる。
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