奇跡の大逆転トライ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 21:28 UTC 版)
「イアン・ウィリアムス」の記事における「奇跡の大逆転トライ」の解説
イアン・ウィリアムスが日本のラグビーファンの記憶に残っているのは、1991年1月8日、秩父宮ラグビー場(東京都港区)で行われた第43回全国社会人ラグビーフットボール大会・決勝戦、神戸製鋼 対 三洋電機(現・パナソニック ワイルドナイツ)の一戦である。 全国社会人ラグビー3連覇を賭ける神戸製鋼と、その時点で5回も決勝に駒を進めながら未だ優勝経験のない(その為、ラグビー界のシルバーコレクターと呼ばれていた)三洋電機では、下馬評は圧倒的に神戸製鋼有利だった。ところが、予想に反して試合は三洋電機のペースで進み、後半40分の時点で12-16とリードされていた。後半のインジャリータイムに入った41分頃、三洋電機の選手がタッチに蹴出した瞬間、宮地克実監督は立ち上がり、勝利のポーズを見せたが、主審の真下昇はノーサイドの笛を吹かず、そのまま試合は続行。後半43分頃、本来フルバック(FB)だが、このシーズンはWTBで出場していた綾城高志をライン参加させ、ゲインラインの突破を図るものの、三洋電機ディフェンスに見破られ、ハーフウェイライン上でラック状態となってしまう。その状態から素早くボールを出した神戸製鋼は、ナンバーエイト(No.8)の大西一平が縦をついてラック状態へと持ち込むと見せかけて、スクラムハーフ(SH)の萩本光威が素早くボールを出し、これをスタンドオフ(SO)の藪木宏之が繋いでセンター(CTB)の平尾誠二へワンバウンドパス。このパスが三洋電機ディフェンス陣に動揺を与え、一瞬三洋電機の選手が立ち止まってしまう。その状態から平尾がついに切り札・ウィリアムスへとパス。ウィリアムスは約50mを独走。一方三洋も、ワテソニ・ナモアが懸命にウィリムアスを追うが、ゴールエリア付近で振り切られ、ウィリアムスは細川隆弘にコンバージョン決めやすくさせるため、ゴールエリア中央へと回り込んでトライを決めて16-16の同点となった。(本人の著書には、中央まで意識的に回り込んだ訳では無いと書かれている)まだ、トライした時点では両者優勝の状態であり、日本選手権出場権規約によりトライ数の多い三洋電機が出場権を握っていたが、細川が冷静にコンバージョンキックを決め、18-16と試合を逆転した瞬間にノーサイドの笛が鳴り、神戸製鋼は奇跡の全国社会人ラグビー3連覇を達成した。
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