天蚕とは? わかりやすく解説

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てん‐さん【天蚕】

読み方:てんさん

ヤママユの別名。


やま‐まゆ【山繭/天蚕】

読み方:やままゆ

翅(りんし)目ヤママユガ科のガ。翅(はね)の開張15センチ大形で、色は赤褐・暗褐・黄褐色など変異に富む。前翅の先は鎌状にとがり、各翅の中央眼状紋がある。幼虫緑色で毛のまばらに生えた芋虫。クヌギ・コナラなどの食い間に黄緑色大きな繭を作る。繭からは良質絹糸がとれ、屋内飼育はできないので木に網をかけて放し飼いとする。日本朝鮮半島台湾などに分布てんさんやままゆが。《 夏》「庭の木に—飼ひしのこぼれ/鳴

山繭/天蚕の画像
撮影おくやまひさし

天蚕

読み方:テンサン(tensan)

ヤママユ別称


天蚕

読み方:ヤママユ(yamamayu)

ヤママユガ科属す大型のガ。前後翅に一つずつある円い斑紋特徴

季節

分類 動物


ヤママユ

(天蚕 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/21 03:20 UTC 版)

ヤママユ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: チョウ目 Lepidoptera
: ヤママユガ科 Saturniidae
亜科 : ヤママユガ亜科 Saturniinae
: ヤママユ属 Antheraea
: ヤママユ A. yamamai
学名
Antheraea yamamai
Guérin-Méneville, 1861
和名
ヤママユ
英名
Japanese Oak Silkmoth
Japanese Silk Moth

ヤママユ(𧔝[1]Antheraea yamamai)は、チョウ目ヤママユガ科に分類されるの一種である。ヤママユガ(山繭蛾)、テンサン(天蚕)ともいう。

日本在来の代表的な野蚕で、北海道から沖縄にかけて分布し、人里近くの広葉樹林に生息している。

概要

ヤママユガ科のガの成虫は口が完全に退化しており、蛹化以降は一切の食餌を摂らずに幼虫時に蓄えた栄養だけで生きる。

前翅長は70 - 85mmとは厚く大きい。4枚の翅には、それぞれ1つずつ大きな黄茶色で目玉状の模様がある。幼虫ブナ科ナラクヌギコナラクリカシカシワミズナラなどの葉を食べる。年1回の発生で、出現期は8 - 9月頃。の状態で越冬する。[2]

幼虫は緑色で4回の脱皮を経過して熟蚕となり、鮮やかな緑色をした繭を作る。繭一粒から得られる糸は長さ約600 - 700m、1000粒で約250 - 300g程度の絹糸が採取される。この糸は「天蚕糸」と呼ばれる。

分類

現在、日本産は、以下の3亜種に区分される。

  • 原名亜種 A. y. yamamai - 本州から九州、屋久島まで分布。北海道に分布する個体は北海道亜種 A. y. ussuriensis とされていたが、現在はこちらに含めるようになっている[3]
  • 奄美亜種 A. y. yoshimotoi - 奄美大島に分布。食樹はスダジイ。[4]成虫は7月から現れる。
  • 沖縄亜種 A. y. yambaru - 沖縄島。従来、奄美大島産とともに奄美・沖縄亜種とされていたが、2020年に別亜種とされた。[5]

脚注

  1. ^ 大漢和辞典大修館書店、卷十 114頁。 
  2. ^ 井上 寛(1982)ヤママユガ科. 日本産蛾類大図鑑I 講談社
  3. ^ https://www.ftst.jp/farm/wild-silkworm/wp-content/uploads/sites/3/2024/11/07168178ff067db2fd11730c332eecb4.pdf
  4. ^ 城本啓子(2007)ヤママユガ科ガ類の生態に関する研究.近畿大学大学院農学研究科博士論文
  5. ^ 岸田泰則(2020)沖縄島産ヤママユの新亜種.月刊むし592, 37

関連項目

外部リンク


天蚕(テンサン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/23 10:18 UTC 版)

野蚕」の記事における「天蚕(テンサン)」の解説

ヤママユガの繭で、家蚕のものより光沢があり張度が強い。緑がかった薄茶色の繭ができ、野生のものでは繭の色がまちまちである。家蚕糸より染色しづらい。雌雄により異なるが、1つの繭から得られる糸は600 m 前後である。糸は扁平な三角形断面をもつ。

※この「天蚕(テンサン)」の解説は、「野蚕」の解説の一部です。
「天蚕(テンサン)」を含む「野蚕」の記事については、「野蚕」の概要を参照ください。

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