大野油坂道路
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大野油坂道路(おおのあぶらさかどうろ)は、福井県大野市東市布(油坂出入口)と同市中津川(大野IC)を結ぶ道路。道路規格が第1種第4級、車線幅員が3.25 mで計画されている。日本の高速道路はそのほとんどが車線幅員3.5 mを基準としており、西九州自動車道や三遠南信自動車道で現道を活用する場合(暫定的なものを含む)に基準未満で供用する例が見られるが、新規に自動車専用道路を整備する場合に最初から車線幅員を3.25 mで計画するのは非常に特異である。 2009年(平成21年)3月9日、国土交通大臣の諮問機関である社会資本整備審議会の部会が開かれ、和泉IC(仮称)(大野市貝皿)- 大野東IC(同市下唯野)間の14 kmが着工の見込みとなった。計画では完成2車線で設計速度60 km/h。事業費は約523億円、1日当たりの計画交通量は約7,400台。防災や救急医療などの面からも必要とされたほか、費用対効果は3.4と高い評価を得ている。同月13日、2010年度新規事業として採択されることが正式に決定した。2014年(平成26年)3月末時点の用地取得率は54 %で、同年8月30日に着工。用地がまとまった箇所から順次工事を進める予定で、起工式に駆け付けた福井県選出の参議院議員山崎正昭は「7、8年で完成できるのでは」と全通に向けた意気込みを示した。 油坂出入口 - 和泉IC(仮称)間15.5 kmについては、計画交通量を1日当たり約4,500台と見込む。同区間の整備を2011年(平成23年)12月24日に翌年度政府当初予算案の一部として閣議決定、2012年(平成24年)4月5日に同予算が国会で成立し翌日の予算配分によって正式に事業化された。東日本大震災を教訓に国土交通省が全国で高速道路ネットワークの未整備区間の解消や代替ルート確保を重視する中で、中部縦貫道の南海トラフ巨大地震発生時の迂回路としての機能が改めて評価されたものとみられている。また大野東IC(仮称)- 大野IC間の5.5 kmについても2015年度(平成27年度) に新規事業化され、これにより福井県内の中部縦貫道は全線事業化された。 当初、大野・大野東区間と大野東・和泉区間は2022年度(令和4年度)の開通を予定していたが、大野東・和泉区間にある荒島第2トンネルの掘削が難航したため勝原IC - 和泉IC間の開通は2023年(令和5年)秋に延期された。また、和泉・油坂区間は2026年(令和8年)春の開通を予定している。
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