大杉漣の急逝とテレビ東京の対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 17:34 UTC 版)
「バイプレイヤーズ」の記事における「大杉漣の急逝とテレビ東京の対応」の解説
【S.2】放送中の2018年2月21日に、大杉漣が急性心不全で急逝。この時点でシリーズ全話の撮影が完了していなかったため、撮影を終えていなかった回については、脚本や演出を変更するなどの措置が取られた。 2月20日に、千葉県富津市で撮影された【S.2】最終回のラストシーンに、大杉をはじめ主演の5人が参加。『スポニチアネックス』が当時【S.2】関連の連載記事を組んでいたことから、午後にはこの記事向けの取材を受けた。 大杉は取材後に松重、光石、田口と会食したが、ロケ先のホテルの自室へ戻ったところで激しい腹痛に襲われたため、【S.2】関係者向けのグループLINEを通じて共演者やスタッフに体調の異変を伝えた。この通知に気付いた松重とスタッフに付き添われながら、タクシーで救急病院へ向かったものの、病院へ到着するまでに意識を失った。 大杉は、容体が好転しないまま翌21日の午前3時53分に搬送先の病院で息を引き取った(66歳没)。大杉の最期には、共に主演を務めていた松重・光石・遠藤・田口、ロケに同行していたテレビ東京の関係者、家族が立ち会ったという。 大杉が逝去した2月21日は、第3話の放送日であった。第3話については、大杉の遺族、生前所属していた事務所・ザッコ、共演者からの意向を受けて予定通り放送。エンディングに、「大杉漣さんが、本日急逝されました。心よりご冥福をお祈りいたします」という追悼テロップを、およそ10秒間挿入した。 【S.2】では2月21日・22日にも収録を予定していたが、大杉の急逝を受けて両日とも中止。この時点で、第4話(同月28日放送分)については全体の3割、最終話(3月7日放送分)については3分の2に相当するシーンの撮影を残していた。 2月22日に、テレビ東京社長(当時)の小孫茂が定例記者会見で、【S.2】をめぐる今後の方針に言及。「代わり(の俳優)を探すとしたら作品自体を変える(必要がある)ほどの存在感をお持ちの方だったので、少なくともテレビ東京では、『この方の代わり』を探すという議論はあり得ない」と明言した。さらに、視聴者からの多数の問い合わせを受けていることを背景に、少なくとも残り2話を当初の予定に沿って放送することを編成局へ指示したことを明かしている。後に、大杉の遺族、ザッコ、共演者から理解を得られたことから、2月23日に、残り2話を当初の予定通りに放送することを正式に決定。その旨を報告する一文を、【S.2】の公式サイトにも掲載した。同日より、残ったシーンの撮影を再開。大杉の生前に撮影された最終回のラストシーンを基に、脚本の一部を変更した。 最終回のサブタイトルは、「大杉漣さんありがとう! バイプレイヤーより愛を込めて」。オフショットやスマートフォンで撮影されたプライベートムービーに映る大杉の姿も、作品に取り込まれた。また、スピンオフドラマのオープニング撮影に臨むシーン(大杉の急逝直前に撮影されたシーン)をラストシーンに採用。放送上は、スタッフからのスタンバイの呼び掛けに対する「よっしゃ、じゃあ、行きますかね」という一言が、大杉の生前最後のセリフになった。このシーンの後には、エンディング画像、「このドラマはフィクションです。ありがとうございました!また、会う日まで。」というテロップに続いて、松重、田口、遠藤、光石が海に向かって「漣さん、ありがとう!」と叫ぶ後ろ姿の映像を組み込んでいた。
※この「大杉漣の急逝とテレビ東京の対応」の解説は、「バイプレイヤーズ」の解説の一部です。
「大杉漣の急逝とテレビ東京の対応」を含む「バイプレイヤーズ」の記事については、「バイプレイヤーズ」の概要を参照ください。
- 大杉漣の急逝とテレビ東京の対応のページへのリンク