大友以前・大友以後とは? わかりやすく解説

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大友以前・大友以後

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 01:37 UTC 版)

大友克洋」の記事における「大友以前・大友以後」の解説

ショート・ピース刊行以後大友の名が知られるに従って日本の漫画画風手法大きく変わったため、漫画表現史を画するものとして「大友以前大友以後」という言葉もしばしば用いられている。この言葉用いた一人である米澤嘉博は、記号化された絵を使い味のあるコマ連続物語表現するという、手塚治虫によって体系化された漫画の手に対して事態リアルに一枚風景として描き出し自在に変化するカメラワークによる画面連続作品構成する大友の手法を「非手塚手法」と呼んだ大友作品はしばしキャラクターのいない、風景だけが大写しにされたコマ続けて描かれるが、風景物語説明的な背景として使うのではなく風景だけで何かを語らせるこのような方法それ以前漫画にはない新しい手法であった米澤は「キャラクター背景ではなくキャラクターのいる風景こそが描かれる」と述べている)。 ササキバラ・ゴウは、漫画の絵から説明的な意味・文脈取り去り人物風景も同じ質感持った単なる「もの」として写実的立体的に描く大友表現が、漫画作品世界の中で均質な空間表現することを可能にしたと指摘している。このことは一面では、箱庭的な物語世界のなかにディテイル描き込むことへの欲求作家与え70年代以降SFブーム・アニメブームと連動して作品細かな世界設定描きこむ傾向育てたこのような傾向はのちに士郎正宗らによって徹底的に追究されていくことになる。他面人物の立体的な造形80年代以降士郎正宗桂正和遊人などの描く美少女像を変化させ、「記号的な顔」と「写実的な肉体」を併せ持つ日本の漫画表現独特の美少女キャラクター生み出す一因ともなった上記加え老人口元に皺を一本入れるというような記号的な方法でなく、骨格から皮膚のたるみまで老人として表現するような大友デッサン力、建物様々な角度から正確な遠近法描き出す描写力写真映画などから影響受けた光学的な表現方法などは、以後漫画界全体画力底上げすることになったこの他にも、効果音描き文字ではなくフキダシ使って描く方法や、超能力などの大きな力によって地面割れたり、球状にへこんだりするといった表現方法など、大友始めたことでスタンダードとなった手法数多い

※この「大友以前・大友以後」の解説は、「大友克洋」の解説の一部です。
「大友以前・大友以後」を含む「大友克洋」の記事については、「大友克洋」の概要を参照ください。

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