執筆姿勢とは? わかりやすく解説

執筆姿勢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 07:27 UTC 版)

ヘロドトス」の記事における「執筆姿勢」の解説

ヘロドトス調査探求して記した『歴史』当事者関係者がまだ存命中の出来事についての記録であった。そしてそのための探求方法現代の歴史研究とは異なり史料確認して情報収集するよりも、現地回り関係者聴取し、また自ら経験することが主となったヘロドトスは自らの目で確認することに努めたが、不足する情報伝聞証言によって補った。その中にはヘロドトス自身疑わしい考え情報多々あったが、彼は信憑性程度拘らずそれを『歴史』掲載している。このような執筆姿勢は以下のような記述からも明らかである。 この王についての(エジプトの)祭司の話はなお続き、右の事件の後ランプシニトスは、ギリシア人ハデス冥界)の在るところと考えている地下生きながら下ったということで、ここでデメテル骰子争い互いに勝敗のあった後、女神から黄金の手巾を土産貰い、再び地上へ帰ったという。このランプシニトス下界降りが起縁となって、彼が地上へ帰ってからエジプトでは祭を催すようになったという。(中略このようなエジプト人の話は、そのようなことが信じられる人はそのまま受け入れればよかろう本書通じて私のとってい建前は、それぞれの人の語るところを私の聞いたままに記すことにあるのである。 —ヘロドトス『歴史』巻2§122-123、松平訳。 一方でこの態度ヘロドトス著作中において徹底はしておらず、採録の基準曖昧であったし、神々と人間との関わりのような問題についても彼がはっきりと首尾一貫した哲学的姿勢持っていたわけではないヘロドトス英雄時代歴史立ち入ることはなく、しばしば触れ神話的伝承について懐疑的な姿勢取り神々がかつて人間交わったという説話や神の出現と言った出来事事実として承認することはしなかった。だがこの姿勢はしかし神話明確に拒絶するほど徹底したものでもなかった。ヘロドトスまた、こうした神話的な説話に対して時折風刺加えてもいる。 テッサリア住民自身のいうところでは、ペネイオス流れているかの峡谷は、神ポセイドン作られたものであるというが、もっともな言い分である。というのは地震起こすのがポセイドンで、地震による亀裂をこの神の仕業であると信ずる者ならば、かの峡谷見れば当然ポセイドン作られたものであるというはずで、私の見るところ、かの山間亀裂地震結果生じた物に相違ないのである。 —ヘロドトス『歴史』巻7§129松平訳。 また、ローマ時代歴史家プルタルコスエウセビオスによればヘロドトス『歴史』内容各地口演していたという。このヘロドトス聴衆向けて語り聞かせていたという情報事実であると考えられ、このことが聴衆楽しませるための様々な説話・余談挿入本筋からの脱線という『歴史』特徴形作ったとも考えられる

※この「執筆姿勢」の解説は、「ヘロドトス」の解説の一部です。
「執筆姿勢」を含む「ヘロドトス」の記事については、「ヘロドトス」の概要を参照ください。

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