執筆と出版、日本語訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 19:06 UTC 版)
「ダーク・タワー」の記事における「執筆と出版、日本語訳」の解説
キングは、まだ大学生であった1970年ごろから構想を温めており、ロバート・ブラウニングの詩『童子ローランド、暗黒の塔に至る』Childe Roland to the Dark Tower Cameを読んだことが、構想を得たきっかけである。また、『ザ・スタンド』同様、J・R・R・トールキンの『指輪物語』にも影響を受けている。 1970年代から断続的に書き進められたが、完成させるまでに30年ほどかかっている。最後の3部は、第4部が出版されてからかなり間を置いて執筆・出版された。この3部がこれほど早く執筆された(2001年から2003年)理由についてキング自身は、自分が死んでから、ダーク・タワーを「未完の部類に入れたくなかった」と言っている。1999年に交通事故にあい、死への恐怖が生まれたことで完成させることを決意したらしい。ただ、この3部のプロットがある程度決まっていたことは、『不眠症』など事故前の作品に伏線があることから推測できるだろう。 日本語訳は、当初角川書店から池央耿の訳で第1、2部が、風間賢二の訳で第3、4部が刊行されたが、アメリカで出版が滞ったために中断された。その後、2003年になってアメリカで続巻の出版が始まり、新潮文庫より風間の単独訳で2005年から刊行され直した。この新潮文庫版の第1部『ガンスリンガー』の日本語訳は、流麗な文体で知られている池央耿の旧訳を参考にしている。ただし、キング自身が全巻を書き終えたのちに、矛盾を取りのぞく目的で『ガンスリンガー』を一部改訂したため、全く同じ物を改訳したというわけではない。第1部は執筆当初の文章をそのまま生かした独特の文体である。また、新潮文庫版では、原書の愛蔵版に付されている挿絵が収録されている。カバーについては、すべてスティーブ・ストーン(Steve Stone)の手によるものだが、第5部以降は日本限定である。 2017年には角川文庫版が刊行。これは新潮文庫版を加筆・修正し、2012年に刊行された「鍵穴を吹き抜ける風」(第4部と第5部の間の位置する)を追加している。劇中に出てくる絵本 Charlie the Choo-Choo も2016年にアメリカで刊行されたため、日本語訳が角川から刊行された。 マーベル・コミック社によって2007年からコミック化されている。2007年から2010年までは、小説の第1部以前の話を描いている。2011年以降は、キングの小説を第1部から漫画化している。
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