執筆と発表の順番
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 14:54 UTC 版)
ドイルの原稿や書簡の調査などから、短編で2番目に発表された「赤毛組合」は3番目の「花婿失踪事件」より後に書かれたことが判明している。発表順が前後したのは、ドイルの著作権代理人A・P・ワットから『ストランド・マガジン』編集部へこの2編が同時に送られたため、編集部が順番を取り違えて「赤毛組合」を先に掲載してしまったのだと考えられている。「赤毛組合」の冒頭で「花婿失踪事件」(劇中では「メアリー・サザーランド譲が持ち込んだちょっと簡単な事件」)について触れる場面があり、そこで「花婿失踪事件」が発表済みのような言い回しになっているのは、これが原因である。 なお、劇中での年代説明は上述以外に「赤毛組合」は冒頭の一行目で「(これを執筆した時から見て)去年の秋のある日」と言われ、赤毛組合の解散日が「1890年10月9日」とドアに張ってあり、また終盤で警官のジョーンズが「四つの署名(本編の呼称は「ショルトー殺しのアグラ大宝物事件」)」に触れる場面がある。一方、「花婿失踪事件」は時期は明記してないが、ホームズが中盤でウィンディバンクを呼び出す手紙を書き始めた際にワトソンが「緋色の研究」、「四つの署名」、「ボヘミアの醜聞(本編の呼称は「アイリーン・アドラーの写真事件」)」を思い返している場面がある。
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