地震動の擦痕
名称: | 地震動の擦痕 |
ふりがな: | じしんどうのさっこん |
種別: | 天然記念物 |
種別2: | |
都道府県: | 静岡県 |
市区町村: | 伊豆の国市南江間 |
管理団体: | 伊豆の国市(昭9・4・25) |
指定年月日: | 1934.01.22(昭和9.01.22) |
指定基準: | 地5 |
特別指定年月日: | |
追加指定年月日: | |
解説文: | 昭和五年十一月二十六日北伊豆地震ノ時江間尋常高等小學校ノ校庭ニ備付タル魚形水雷ノ下腹部ニ地震動ノ擦痕ヲ印シタルモノナリ 魚形水雷ハ臺石ノ上ニ頭部ヲ南五度東ニ向ケテ安置セラレ地震ニ對シテ不動点トナリシタメ臺石ノ一突起ハ魚雷ノ腹部塗料ヲ摩削シテ電光形ノ擦痕ヲ印セリ 擦痕ノ曲線ハ左下方ヨリ始メテ一往復半ノ後四回ノ一進一止ヲ繰返シテ合計七二.五ミリメートルノ移動ヲ描示セリ 斯カル曲線ハ地震動ノ寛大ヲ示セルモノニ非ラザルハ勿論ナルモ激震部ノ振動状况ト構造物ノ全体的移動■スヲ示セルモノタルハ、疑ナリ地震動ノ天然記録トシテ極メテ珍ラシキモノナリ |
天然記念物: | 土佐犬 土黒川のオキチモズク発生地 地獄地帯シロドウダン群落 地震動の擦痕 地頭鶏 地鶏 坂本のハナノキ自生地 |
地震動の擦痕
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/08 23:26 UTC 版)

地震動の擦痕(じしんどうのさっこん)は、静岡県伊豆の国市南江間にある魚雷に付いた摩擦痕。国指定の天然記念物。
解説

1930年(昭和5年)3月10日、旧・田方郡江間村江間尋常小学校(現:伊豆の国市立長岡北小学校)の校庭に忠魂碑が建立された際、海軍省より譲り受けた魚雷(長さ約5メートル)が忠魂碑の付属物として展示された。
同年の11月26日に発生したマグニチュード7.3の北伊豆地震により、魚雷を載せていた台座の突起物により魚雷腹部に曲線状の傷がついた。魚雷自体は重量が大きかったため地震による動きは乏しかったが、台座のほうは軽く不安定であったため、地震による激しい揺れによって、台座から突き出ていた突起物が地震計の針の役割をした結果、天然の地震グラフ曲線ができた[1]。傷の長さは全長725mmに及ぶ[2]。
4年後の1934年(昭和9年)1月22日、この傷のついた魚雷そのものが国の天然記念物に指定された[3]。2013年(平成25年)に、神奈川県茅ヶ崎市にある旧相模川橋脚が指定される(液状化現象を対象とした指定)まで、日本に数ある国指定の天然記念物の中で、自然物でないのはこれだけであった[1]。伊豆の国市南江間の旧江間小学校跡地の一角に展示されている。
脚注・出典
- ^ a b 加藤編、松田時彦(1995)、p.925
- ^ 現地掲示板より
- ^ 文化庁国指定文化財等データベース - 地震動の擦痕
参考文献
- 『日本の天然記念物』 出版:講談社 1995年3月20日 第1刷 p.922、p.925 ISBN 4-06-180589-4
- 『北伊豆地震の地震動の擦痕』、「地震の石碑」2012復刻版13 神奈川県温泉地学研究所
- 今村明恒によるスケッチが掲載されている。
関連項目
外部リンク
- 地震動の擦痕 - 伊豆半島ジオパーク
座標: 北緯35度3分16.5秒 東経138度56分1.25秒 / 北緯35.054583度 東経138.9336806度
地震動の擦痕
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 13:06 UTC 版)
詳細は「地震動の擦痕」を参照 北伊豆地震の激しい揺れは、旧江間尋常小学校校庭に展示されていた魚雷とその台石を揺さぶった。その結果、魚雷の側面には台座の粗い造りになっている角に引っかかれてできた全長725mmの傷がくっきりと残された。奇しくも天然の地震計のように貴重な記録を留める形となったこの魚雷は、人工物でありながら、天然の現象を記録したという事由で、1934年(昭和9年)1月22日付で国の天然記念物に指定された。その名義は「地震動の擦痕(じしんどうのさっこん)」である。その後、同校は江間尋常小学校跡地となり、現在は丹那断層公園の一区域として整備されている。
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