地学系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 07:31 UTC 版)
「東京大学総合研究博物館」の記事における「地学系」の解説
鉱物部門 - 鉱物とは、一般に「石」と呼ばれるもののうち、一定の化学組成と結晶構造を有するもののことで、後述の「岩石」とは区別される。鉱物を調査することによって、地球のみならず、太陽系を構成する物質の進化の過程を知ることができる。鉱物部門に属する標本類の中には隕石も含まれ、著名なアエンデ隕石もある。アエンデ隕石には太陽系最古の物質や、超新星爆発の際に吹き飛ばされた粒子を含んでいる。三菱鉱業の若林弥一郎が収集した「若林標本」と呼ばれる鉱物コレクションも当部門にある。 岩石・鉱床部門 - 本部門では、地球を研究対象とする学問である地質学の学術資料を所蔵する。ここでいう「岩石」とは「鉱物」の集合体であり、一定の化学組成をもたない物質である。岩石学分野では、地球を形成する火成岩、堆積岩、変成岩などの岩石がどのようにして生成したのかを研究する。鉱床学分野では、金属・非金属を含む地下資源がどのような自然現象によって生成されるのかを研究する。主要な収蔵品にクランツ鉱物標本や、日本国内・国外各地の鉱床産の鉱石標本などがある。総合研究資料館の初代館長であった渡辺武男とその弟子・学生による収集品もある。 鉱山部門 - 工学部地球システム工学科(現・システム創成学科)が、前身の工部大学校鉱山科以来、1世紀以上にわたって収集してきた世界各地の鉱山産出の鉱石と岩石の標本を有する。別子銅山の鉱石など、すでに閉山となった鉱山からの標本は学術的に貴重である。愛媛県市之川鉱山産出の輝安鉱の大型結晶の中には長さ1メートルを超えるものもある。 地史古生物部門 - 約6万点の古生物標本と約9千点の現生生物標本を有する。アンモナイト、三葉虫など地質時代に生息していた生物の化石は、古生物学のみならず地質学の諸分野の研究に欠かせない資料である。現生生物の標本には、潜水艇「しんかい」が持ち帰った深海生物の標本などがある。 地理部門 - 地球表面の環境と人間との関わりを探る部門である。所属資料には日本国内外の各種地図、海図、航空写真、サンゴ礁コア試料などがある。
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