国鉄民営化と高速化
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1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化に伴い、上越新幹線の鉄道施設は新幹線鉄道保有機構に移管された。東日本旅客鉄道(JR東日本)は新幹線鉄道保有機構にリース料を支払い、鉄道施設を借り受けて運営していた。 1988年(昭和63年)3月13日のダイヤ改正(通称:一本列島)より上越新幹線「あさひ」が最高速度240 km/h運行を開始した。これにより上野駅 - 新潟駅間の所要時間が最短1時間39分に短縮された。これに合わせて北陸方面への速達列車として在来線特急「かがやき」が運行を開始し、長岡駅乗り継ぎによる上野駅 - 富山駅・金沢駅間の所要時間が大幅に短縮されたことで、このルートが東京から北陸方面への主要なルートになった。 1990年(平成2年)3月10日より、さらなる所要時間の短縮を目指して、山間部のトンネル区間を中心に、上毛高原駅 - 浦佐駅間の下り線(大宮起点 139 km - 176 km)で改造を施した200系F90番台編成による最高速度275 km/hの営業運転を開始した。 自動列車制御装置(ATC)の車内信号現示が「あさひ」(200系F90番台編成)の場合は275 km/h、1992年(平成4年)に営業を開始した東海道新幹線「のぞみ」(300系)の場合は270 km/hであることから、「日本一速い新幹線」と言われていた。実際には、ATCの頭打ち速度は「のぞみ」も275 km/h だったため、ATCの抑止速度で考えた場合の最高速は同速ということになるが、営業速度で考えた場合はこの「あさひ」が最速であった。200系F90番台編成による275 km/h運転は1999年(平成11年)12月4日まで続けられた。 1991年(平成3年)6月20日に東北新幹線 東京駅 - 上野駅間が開業し、上越新幹線にも東京駅発着列車が設定された。東京駅へ向かう場合の在来線乗り換えが不要となったことにより、所要時間は東京駅 - 新潟駅間で2時間6分から20分短縮されて1時間40分、東京駅 - 酒田駅間(「あさひ」と「いなほ」)では4時間20分から34分短縮されて3時間46分、東京駅 - 金沢駅間(「あさひ」と「かがやき」)では4時間20分から22分短縮されて3時間58分となった。同年10月に新幹線鉄道保有機構は「新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律」に基づき、東北新幹線(東京 - 盛岡)および上越新幹線の鉄道施設を3兆1,069億円でJR東日本に譲渡し、解散した。
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