国鉄民営化と東京延伸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 14:04 UTC 版)
1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化に伴い、東北新幹線の営業主体は東日本旅客鉄道(JR東日本)が承継し、東北新幹線(東京 - 盛岡)の鉄道施設の保有および東京 - 上野間の建設は新幹線鉄道保有機構が承継した。JR東日本は新幹線鉄道保有機構にリース料を支払い、鉄道施設を借り受けて運営していた。また、東京 - 上野間の実際の工事は新幹線鉄道保有機構からの委託契約によりJR東日本により施工された。 都心部を通過するルートであり用地買収を極力抑えるため、上野 - 東京間のルートは複雑になっている。東京駅では、第6ホームを東北新幹線に転用し、将来的に東海道新幹線と直通運転可能な構造とした。東京駅を出て、呉服橋から竜閑橋の間は都道407号線(江戸通り)の中央分離帯に橋脚を設置し、道路の上空半分に高架橋を建設、神田駅付近では在来線高架橋を取り壊したうえで新幹線高架橋を建設した。この高架橋は新幹線高架橋の上に在来線高架橋を継ぎ足す重層化を考慮した設計がされており、在来線部分は2015年3月に上野東京ラインとして開業している。秋葉原駅付近からは25 ‰勾配で下り、地下の上野駅へ向かうが、この区間にある第1上野トンネルでは1990年(平成2年)1月にシールド工法区間(御徒町トンネル)の建設中に陥没事故が発生している。 1991年(平成3年)6月20日に東京駅 - 上野駅間が開業した。東北・上越新幹線で東京駅へ向かう場合の在来線乗り換えが不要となったことにより、所要時間は東京駅 - 仙台駅間では22分短縮されて1時間44分、東京駅 - 盛岡駅間では20分短縮されて2時間36分、東京駅 - 青森駅間では21分短縮されて4時間54分となった。同年10月に新幹線鉄道保有機構は『新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律』に基づき、東北新幹線(東京 - 盛岡)および上越新幹線の鉄道施設を3兆1,069億円でJR東日本に譲渡し、解散した。
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