国鉄タキ200形貨車 (2代)とは? わかりやすく解説

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国鉄タキ200形貨車 (2代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/06 00:36 UTC 版)

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国鉄タキ200形貨車 (2代)
タキ200形、タキ200
1994年10月29日、熊谷貨物ターミナル駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 関東電化工業東亜合成化学工業
製造所 富士重工業汽車製造
製造年 1963年(昭和38年) - 1972年(昭和47年)
製造数 3両
種車 タキ2800形タキ2600形
改造所 日本車輌製造、富士重工業
改造年 1967年(昭和42年) - 1969年(昭和44年)
改造数 7両
消滅 2007年(平成19年)
常備駅 渋川駅昭和町駅伏木駅
主要諸元
車体色 黒色
専用種別 トリクロールエチレン
化成品分類番号 96
軌間 1,067 mm
全長 9,500 mm
全幅 2,350 mm
全高 3,700 mm
タンク材質 ステンレス鋼
荷重 30 t
実容積 20.6 m3
自重 13.9 t
換算両数 積車 4.5
換算両数 空車 1.4
台車 TR41C、TR41D-4
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 5,400 mm
最高速度 75 km/h
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国鉄タキ200形貨車(こくてつタキ200がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

本形式と同一の専用種別であるタム8600形についても本項目で解説する。

タキ200形

タキ200形は、トリクロールエチレン専用の30t 積二軸ボギータンク車として1963年(昭和38年)5月10日から1972年(昭和47年)12月8日にかけて10両(タキ200、タキ202 - タキ203、タキ210 - タキ216)が、富士重工業汽車製造にて製作された[1]。何故かタキ201、タキ204 - タキ209は空番であった。この内7両は他形式(タキ2800形タキ2814→タキ202)[1]タキ2600形タキ12601、タキ12637、タキ22614、タキ22615、タキ12630、タキ12644→タキ203、タキ212 - タキ216))[1]から専用種別変更改造工事を日本車輌製造、富士重工業の2社にて受け本形式に編入された車である[2]初代タキ200形1938年(昭和13年)4月に形式消滅しているため、タキ200形としては2代目に当たる[1]

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タキ」と標記する。

本形式の他にトリクロールエチレンを専用種別とする貨車はタム8600形(2両、後述)1形式のみが存在した。

所有者は、関東電化工業東亜合成化学工業(その後タキ211のみ東亞合成へ社名変更)の2社であり、夫々の常備駅は群馬県渋川駅愛知県昭和町駅又は富山県伏木駅であった。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「96」(有害性物質、毒性のあるもの)が標記された。

タンク体は、ステンレス鋼(SUS27、SUS28現在のSUS304、SUS304L)製でドーム付き[1]、ドーム無しの2種類があり[2]荷役方式は、タンク上部の積込口からの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式である[2]

1993年(平成5年)に2両(タキ210, タキ211)の専用種別がカセイカリに変更され、形式名は変更されることなく運用された[1]

車体色は黒色、寸法関係は全長は9,500mm[1]、全幅は2,350mm[1]、全高は3,700mm[1]、台車中心間距離は5,400mm[1]、実容積は20.6m3、自重は13.9t、換算両数は積車4.5、空車1.4であり、台車はベッテンドルフ式のTR41CまたはTR41D-4である[2]

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車(10両)の車籍がJR貨物に継承されたが。1995年(平成7年)度末時点では6両が現存していたが[1]2007年(平成19年)10月に最後まで在籍した2両(タキ213 ,タキ214)が廃車となり同時に形式消滅した[3]

タム8600形

国鉄タム8600形貨車
タム8600形、タム8600
1993年2月14日、昭和町駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 東亜合成化学工業
製造所 日本車輌製造、汽車製造
製造年 1965年(昭和40年) - 1968年(昭和43年)
製造数 2両
消滅 1993年(平成5年)
常備駅 昭和町駅
主要諸元
車体色 黒色
専用種別 トリクロールエチレン
化成品分類番号 96
軌間 1,067 mm
全長 7,300 mm
全幅 2,530 mm
全高 3,446 mm
タンク材質 ステンレス鋼
荷重 15 t
実容積 10.2 m3
自重 9.0 t
換算両数 積車 2.4
換算両数 空車 0.8
走り装置 二段リンク式
車輪径 860 mm
軸距 3,700 mm
最高速度 75 km/h
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タム8600形は、トリクロールエチレン専用の15t二軸タンク車として1965年(昭和40年)1月30日に1両、1968年(昭和43年)1月20日に1両の合計2両(タム8600、タム8601)が、日本車輌製造、汽車製造の2社にて製作された。

所有者は、東亜合成化学工業の1社のみであり、常備駅は愛知県の昭和町駅であった。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「96」(有害性物質、毒性のあるもの)が標記された。

タンク体は、ステンレス鋼(SUS27、SUS28現在のSUS304、SUS304L)製で、荷役方式は、タンク上部の積込口からの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式である。タム8601は液出管にS字管を装備した。

車体色は黒色、寸法関係は全長は7,300mm、全幅は2,530mm、全高は3,446mm、軸距は3,700mm、実容積は10.2m3、自重は9.0t、換算両数は積車2.4、空車0.8であり、走り装置 は二段リンク式である。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車(2両)の車籍がJR貨物に継承されたが、1993年(平成5年)4月に2両そろって廃車となり同時に形式消滅となった。

参考文献

  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3 p.50
  2. ^ a b c d 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3 p.51
  3. ^ 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』2008年10月号増刊 鉄道車両年鑑2008版 p.113

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