国鉄タム8700形貨車とは? わかりやすく解説

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国鉄タム8700形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/15 04:00 UTC 版)

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国鉄タム8700形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 東洋曹達工業東北東ソー化学
製造所 三菱重工業日立製作所
製造年 1965年(昭和40年) - 1968年(昭和43年)
製造数 3両
消滅 2005年(平成17年)
常備駅 周防富田駅→新南陽駅酒田港駅
主要諸元
車体色
専用種別 塩化パラフィン
化成品分類番号 なし
軌間 1,067 mm
全長 8,200 mm
全幅 2,468 mm
全高 3,757 mm
タンク材質 ステンレス鋼(SUS304)
荷重 15 t
実容積 13.3 m3
自重 10.7 t
換算両数 積車 2.6
換算両数 空車 1.0
走り装置 二段リンク式
車輪径 860 mm
軸距 4,550 mm
最高速度 75 km/h
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国鉄タム8700形貨車(こくてつタム8700がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

本形式と同一の専用種別であるタム9500形についても本項目で解説する。

タム8700形

タム8700形は、塩化パラフィン専用の15t二軸貨車である。1965年(昭和40年)2月24日に2両、1968年(昭和43年)4月24日に1両の合計2ロット3両(タム8700 - タム8702)が三菱重工業および日立製作所で新製された。

本形式の他に塩化パラフィンを専用種別とする形式は、タム9500形(3両、後述)があるのみである。

走り装置は、当初から二段リンク式で、最高速度は75km/hである。台枠は、長さ7,400mmの平台枠である。

落成時の所有者は全車東洋曹達工業であり、常備駅は周防富田駅(その後1980年(昭和55年)10月1日新南陽駅に改名)であった。その後タム8700とタム8702は東北東ソー化学に名義変更され常備駅は酒田港駅になった。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号が制定されたが、本形式の専用種別である塩化パラフィンは無害・不燃性の物質であるため、化成品分類番号は標記されなかった。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車がJR貨物に継承されたが、1995年(平成7年)1月に1両(タム8701)が、2005年(平成17年)7月に残りの2両が廃車となり、形式消滅した。

最後まで在籍したタム8700, タム8702の末期は酒田港駅構内に留置され休車状態が続いていた。

タンク体は、積荷の純度保持のためステンレス鋼(SUS304)製で、ドーム付きのキセ付き直胴タイプである。外周には保温のため、厚さ150mmのグラスウール断熱材が巻かれ、薄鋼板製のキセが装備されている。

タンク体の長さは6,190mm、内径は1,700mmである。荷役方式は、積込はマンホールから行う上入れ式、荷卸しは吐出管による下出し式である。塗色は、

全長は8,200mm、全幅は2,468mm、全高は3,757mm、軸距は4,550mm、実容積は13.3m3、自重は10.7t、換算両数は積車2.6、空車1.0、車軸は12t長軸であった。

タム9500形

国鉄タム9500形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 東洋曹達工業
製造年 1971年(昭和46年) - 1974年(昭和49年)
製造数 3両
消滅 1995年(平成7年)
常備駅 周防富田駅→新南陽駅
主要諸元
車体色
専用種別 塩化パラフィン
化成品分類番号 なし
軌間 1,067 mm
全長 10,000 mm
全幅 2,420 mm
全高 3,510 mm
タンク材質 耐候性鋼
荷重 15 t
実容積 13.2 m3
自重 14.5 t
換算両数 積車 3.0
換算両数 空車 1.4
台車 TR41D-8
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 5,900 mm
最高速度 75 km/h
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ヨンサントオ(1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正)により私有二軸貨車の新規製作が禁止されたため、タム8700形の増備も不可能となった。そこで生まれたのがタム9500形である。1971年(昭和46年)3月3日から1974年(昭和49年)3月18日にかけて3ロット3両が製作された。

所有者は全車東洋曹達工業であり、常備駅は周防富田駅(その後1980年(昭和55年)10月1日新南陽駅に改名)であった。

全長は10,000mm、全幅は2,420mm、全高は3,510mm、台車中心間距離は5,900mm、実容積は13.2m3、自重は14.5t、換算両数は積車3.0、空車1.4である。台車はベッテンドルフ式のTR41D-8であった。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には2両(タム9501 - タム9502)がJR貨物に継承されたが、1995年(平成7年)1月に廃車となり同時に形式消滅となったが、現車は1989年頃に姿を消している。

参考文献

  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

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