固定電話との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 22:43 UTC 版)
固定電話と比較して、以下のような特徴がある。 家庭用のものではアクセス回線にはFTTHやモバイル回線などといった、いわゆるブロードバンド回線を利用する。音声をデータ圧縮・符号化してIPパケットに分割し、比較的安価なIPネットワークによりリアルタイム伝送する(この技術は一般的にVoIPと呼ばれる)。 電話交換機(高価で有資格者による工事や煩雑な保守を必要とする)の代わりにIP電話サーバを使用する(以下はSIPの場合)。IP電話加入者データを元に通信を制御する「加入者系呼制御サーバ」(SIPサーバ)、IP電話と他のIPネットワークとの通信を制御する「中継系呼処理サーバ」(CA(Call Agent)サーバ)、これらを連携させる「呼処理サーバ」(SIP連携サーバ)の他、従来の電話網側には「相互接続用関門交換機」が設置されている。 プレゼンス管理・ボイスメール・電話会議・テレビ電話サービスなどその他の付加価値をつけたものも存在する。 ネットワーク構成の自由度を生かして、電話の音声帯域を拡張し ( - 7kHz、G722) 高音質化を図ったものも一部にある。 注意点として以下の点があげられる。 停電時に局給電による電話が使えない(停電を補償するにはUPSが必要)。対照的に、ISDNではTA (Terminal Adapter) に乾電池を装備したり、局給電に対応したTAを使用することにより、停電時でも電話は使用可能。また、基本的にIP電話回線は特定の物理的回線には依存しない(ADSL/CATV/FTTH/FTTx/専用線と多様)ため、停電時の問題解決も一様ではない。 ただし、近年は広く普及した携帯情報端末・モバイル回線により代替すれば良く、災害時の長期・大規模停電を除いては、重要な問題とは言えなくなっている。 発展途上の技術であるので、標準化が完全でない部分がある。 障害発生時の原因の特定・回復に時間がかかる場合がある。 緊急通報や特殊通話が出来ない場合や、通信できない電話番号がある。 電話の付加サービスが無いか仕様が異なる場合がある。 アナログの固定電話は、回線交換機の老朽化やメーカーの撤退などのために維持が困難になっており[要出典]、日本でもNTTがPSTNのNGNへのマイグレーション(移行)を実施しつつあり、携帯電話で欠点を補完しつつ、2025年までにIP電話にすべて切り替わる見込みである。
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