四季彩とは? わかりやすく解説

四季彩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/17 11:06 UTC 版)

国鉄201系電車 > 四季彩
201系「四季彩」
青梅線で運用される201系「四季彩」
(2008年4月6日 鳩ノ巣駅 - 古里駅間)
基本情報
運用者 東日本旅客鉄道
改造所 大井工場[1]
改造年 2001年(平成13年)7月末[1]
改造数 1編成4両
運用開始 2001年(平成13年)8月4日[1]
運用終了 2009年(平成21年)7月20日
投入先 豊田電車区
主要諸元
編成 4両1編成(2M2T)
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1,500 V
架空電車線方式
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四季彩(しきさい)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が2001年から2009年まで保有していた鉄道車両で、ジョイフルトレインと呼ばれる車両の一種である。

概要

青梅線沿線のイメージアップを目的に豊田電車区(現・豊田車両センター)で訓練車として使用されていた201系4両編成1本(クハ201-134 + モハ201-263 + モハ200-263 + クハ200-134)を展望型電車に改造し、2001年(平成13年)8月4日から営業運転を開始した[2]。その後、愛称の公募が行われ、同年11月23日「四季彩」(しきさい)の愛称が付けられた[3]。改造内容を以下に示す。

  • 座席配置ならびに側面窓の一部を変更[2]
    • 多摩川側の側面窓を2段窓から固定式の1枚窓に改造[2][1][4]
    • 奥多摩寄りのクハ200-134はすべての座席を川側に向け、その他の3両は川側にクロスシートを設置[2][1][4]
    • テーブルを兼ねた荷物置台の設置[2][1][4]
    • 1枚窓に改造した側は、荷棚の交換と一部化粧板の交換、床敷物の取り替えを施工[1]
    • 座席端の袖仕切板に防寒板を追加、クハ200-134に車椅子スペースを新設[2][1]
  • クハ201-134にも自動解結装置を新設しており、6両編成を連結した10両編成での運転も可能とした[1]

塗色

「四季彩」
旧塗装(上)
新塗装(下)
  • 改造当初は奥多摩の四季感と多摩川の流れをイメージした車体色(デザイン)を採用していたが[1]、「四季彩」の愛称決定後は、1両ずつ装飾と前面にヘッドマークが追加された[3]
  • 旧塗色 奥多摩方から、
    • (クハ200-134):アイスグリーンをベースに緑色濃淡の帯、桜
    • (モハ200-263):水色をベースに青色と青緑色の帯、ひまわり2004年7月よりレンゲショウマ[5]
    • (モハ201-263):ベージュをベースに茶色と橙色の帯 、紅葉
    • (クハ201-134):すみれ色をベースに灰色と紺色の帯 、雪の結晶
  • 新塗色 2005年のリニューアル後は、編成で塗色を統一した[6]。白色をベースに、多摩川の流れを表現した青色の横ラインが車体下半分に施された[6]。また、季節が逆転し、絵柄が青梅線沿線にちなんだものに変更された[6]。奥多摩方から[6]

運用

中央本線を走行する四季彩
(2009年7月5日 笹子駅 - 初狩駅間)
  • 2001年:大井工場(現・東京総合車両センター)で改造され、7月30日に出場[7]8月1日には高尾駅開業百周年記念イベントで展示された。 8月4日に青梅駅で出発セレモニーが行われ、「展望電車」として営業運転を開始した[8]。当日は青梅~奥多摩を数往復したのち、奥多摩発立川行きで運用を終了した。その後は土休日に青梅線立川~奥多摩、五日市線拝島武蔵五日市の定期列車として運転。11月23日に一般公募により「四季彩」と命名[3][8]。併せて当初より予定していた車両毎に異なるデザインのシールが貼り付けられ、ヘッドマークも取り付けられた[3]。同年12月ダイヤ改正より、青梅線のみの運用になり、五日市線での定期運用は消滅。
  • 2002年10月12日から、南武線川崎から奥多摩までを結ぶ「川崎-奥多摩ハイキング号」での運転を開始。(以前は中原電車区所属103系)
  • 2003年6月14日、「塩山駅山梨市駅石和温泉駅甲府駅開業100周年記念」イベントの一環で、「やまなし四季彩号」として中央本線塩山~甲府間の2往復運転された。また、翌日の15日には甲府駅で車両展示が行われた。8月3日301系の引退イベントの一環で、高尾駅で車両展示が行われた。9月1日、前々日に発生した八高線103系の車両故障の影響で、八高線八王子高麗川の定期列車を代走。
  • 2004年:7月からモハ200-263の外装、方向幕、ヘッドマークが「ひまわり」から奥多摩に自生する「レンゲショウマ」に変更された。8月4・5日には臨時快速「四季彩高原号」を小淵沢白馬で運転。全車座席定員制で、乗車券のほか指定席券が必要であった(改造車とはいえ、通勤型電車で指定席料金を徴収するのは珍しい)。
  • 2005年:5月8日の営業運転を最後に、旧塗色での運転を終了。6月25日に行われた「三鷹駅・電車区開業75周年イベント」で、新塗色を一般に初披露。車体外装、ヘッドマークのデザインが一新された。7月2日から青梅線内の営業運転に復帰。
  • 2007年1月27日から立川~河口湖を「四季彩河口湖号」として運転(下り列車 河口湖到着後、定期普通列車として富士急行線内を1往復運転)。4月29日から、大宮~奥多摩の「むさしの奥多摩号」での運転を開始(以前は小山車両センター所属115系)。
  • 2008年5月24日篠ノ井線長野姨捨を「姨捨フォトトレイン四季彩号」として運転。
  • 2009年:1月頃、前面車体色を背景にオレンジの文字で「W1」と書かれた編成札が取り付けられた。5月23日JR東日本大宮総合車両センターで開催された「JRおおみや鉄道ふれあいフェア」(現・「鉄道のまち大宮 鉄道ふれあいフェア」)にて、体験試乗列車として使用された。6月11日、当車両の引退を発表[9]6月28日をもって定期運用が終了。通常のヘッドマークでの運転も最後となった。7月4・5日に三鷹~笹子(往路)、大月~三鷹(復路)、7月11・12日に立川~青梅、7月18・19・20日に立川~奥多摩で、さよなら運転を実施。前後で異なる特製ヘッドマークが取り付けられた。7月20日の運転をもって引退となった。3日後の23日、廃車のため長野総合車両センター回送された。

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j 交友社「鉄道ファン」2001年10月号CAR INFO「JR東日本 青梅線用201系展望車」pp.68 - 71。
  2. ^ a b c d e f 青梅線に新しく展望車両が登場しました」(JR東日本八王子支社・インターネットアーカイブ)。
  3. ^ a b c d 青梅線を走る「展望型電車」の愛称が決まりました」(JR東日本八王子支社)。
  4. ^ a b c 『RAIL FAN』第49巻第4号、鉄道友の会、2002年4月1日、9頁。 
  5. ^ 青梅線展望電車の外板デザインの変更について」(JR東日本八王子支社・インターネットアーカイブ)。
  6. ^ a b c d 青梅線を走る展望型電車「四季彩」の外装を一新します」(JR東日本八王子支社・インターネットアーカイブ)。
  7. ^ 『JR気動車客車編成表 02年版』 185頁
  8. ^ a b 『JR気動車客車編成表 02年版』 186頁
  9. ^ 展望型電車「四季彩号」の“さよなら運転”を行ないます』(PDF)(プレスリリース)JR八王子支社、2009年6月11日https://web.archive.org/web/20090617042934/http://www.jreast.co.jp/hachioji/info/090611/press_sayonara_shikisai.pdf 

参考文献

  • 交友社鉄道ファン
    • 2001年10月号CAR INFO「JR東日本 青梅線用201系展望車」pp.68 - 71
  • 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '02年版』ジェー・アール・アール、2002年7月1日。ISBN 4-88283-123-6 




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