おいこっと
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/12 20:15 UTC 版)
| おいこっと | |
|---|---|
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おいこっと(2015年5月)
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| 概要 | |
| 国 | |
| 種類 | 快速列車 |
| 現況 | 運行中 |
| 地域 | 長野県・新潟県 |
| 運行開始 | 2015年4月4日 |
| 運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) しなの鉄道 |
| 路線 | |
| 起点 | 長野駅 |
| 停車地点数 | 9駅(おいこっと・雪のおいこっと) 5駅(十日町雪見おいこっと) |
| 終点 | 十日町駅 |
| 列車番号 | 8141D〜8140D(おいこっと・雪のおいこっと) 9141D〜9140D(十日町雪見おいこっと) |
| 使用路線 | JR東日本:飯山線 しなの鉄道:北しなの線 |
| 車内サービス | |
| クラス | 普通車 |
| 食事 | この3つのうち1つを選択 木島平米を使ったおにぎり1個 飯山市内にある酒蔵の日本酒1杯 中野市産のりんごジュース1杯 |
| 技術 | |
| 車両 | キハ110系気動車 (長野総合車両センター) |
| 軌間 | 1,067 mm |
| 電化 | 直流1,500 V(長野駅 - 豊野駅間)[注 1] 非電化(豊野駅 - 十日町駅間) |
おいこっとは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が運行する「のってたのしい列車」用の鉄道車両(気動車)である[1]。
本項では、同一の車両を用いて運転される、冬季限定運転の「雪のおいこっと」(長野駅 - 十日町駅間)、十日町雪まつり開催時限定運転の「十日町雪見おいこっと」(運転区間は前述と同じ)についても記述する。
概要
JR東日本長野支社が「古民家」をモチーフに導入した観光型車両[2]。
愛称の由来は、東京のローマ字表記(TOKYO)を逆読みしたもの(OYKOT)で、大都会東京とは対極ともいえる「ふるさと」の風景を乗客にイメージしてほしいとの願いから付けられた。ロゴマークには雪ん子をイメージしたキャラクターが描かれ、「いいかわ、いいそら、いいやません。」とのキャッチコピーが記されている[3]。
運行概況
主に土休日や多客期を中心に1往復の運行が設定されている。
冬季(12月中旬から翌3月中旬)は積雪の理由から運休となっていたが、2018年2月末までは「冬のおいこっと」として長野 - 戸狩野沢温泉間に2往復運行され、一部の日は「雪のおいこっと」として十日町まで延長運転することもあった。2018年1月末以降は「雪のおいこっと」を特定日または冬季に運行している。
停車駅
| 号数 | おいこっと・雪のおいこっと | 十日町雪見おいこっと | |
|---|---|---|---|
| しなの鉄道北しなの線・JR飯山線 | 長野駅 | ● | ● |
| 替佐駅 | ● | | | |
| 飯山駅 | ● | ● | |
| 北飯山駅 | ● | | | |
| 戸狩野沢温泉駅 | ● | ● | |
| 上境駅 | ● | | | |
| 森宮野原駅 | ● | ● | |
| 津南駅 | ● | | | |
| 十日町駅 | ● | ● | |
- おいこっと・雪のおいこっと・十日町雪見おいこっと下りは、飯山駅で8分、上りは戸狩野沢温泉駅で5分、飯山駅で23分の停車時間が設けられている。
- かつて長野駅 - 戸狩野沢温泉駅間で運行されていた「冬のおいこっと」も同区間ではおいこっと・雪のおいこっとと同じ停車駅[6]。
- 2022年度運転分からおいこっと・雪のおいこっとの停車駅が変更され、上境駅は停車となった[7]。
特別企画での運用
- 冬のおいこっと(長野駅 - 戸狩野沢温泉駅)
- 2016年12月17日 - 31日、2017年1月1日 - 2月26日、3月4日 - 12日、12月16日 - 31日及び、2018年1月6日 - 2月25日の土休日運行[10][11][12]。冬季限定運転として設定。
- おいこっと飯山体験号(長野駅 - 飯山駅)
- おいこっと くりすます(長野駅 - 飯山駅)
- 2018年12月22日運行。団体専用列車として運転された。
- いいやま雪まつり号(長野駅 - 飯山駅)
- 2019年(平成31年)2月9日 - 10日、2020年2月8日 - 9日、2023年2月11日 - 12日及び、2024年2月10日 - 11日運行[13][14][15]。「いいやま雪まつり」開催に合わせて設定。また、2022年2月12日 - 13日にも運行予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、いいやま雪まつり延期に伴い運休となった[16][17]。
- おいこっとキッズスクール(長野駅 - 森宮野原駅)
- 飯山駅開業100周年号(飯山駅 - 豊野駅)
- 飯山豊野間100周年号(長野駅 - 飯山駅)
- 前述と同じ年月日に運行[20]。列車名の通り、飯山駅 - 豊野駅間開業100周年を記念して設定。
使用車両
車両は、長野総合車両センターに所属する元北上線特急「秋田リレー号」用キハ110系300番台からの200番台編入改造車のうち2両(キハ110-235・236(元313・314))を再改造したものである。この2両は200番台への編入及び長野への移籍に際し、座席の一部(東側)またはすべてがレール方向(東向き)に向けて、飯山線沿線の景色が楽しめるように改造された車両で、「眺望車"ふるさと"」と命名されていた。
外観デザインは、アイボリーとえんじ色を基本に藁葺き屋根の民家の襖や障子などをイメージしたラッピングが施されているが、運転台や出入り台付近がキハ110-235がアイボリー基調、236がえんじ基調と配色が逆になっている。
側面には唱歌「故郷(ふるさと)」の歌詞に登場する「兎」などがアイコン化して描かれており、室内にはアイコンを利用した照明装置も取り付けられ、特急車時代から残置されている蛍光灯カバーにも装飾が施された。室内も、"ふる里"のイメージを具現化したソファタイプのロングシートや、障子をイメージした柄のロールカーテン等に変更されている。各座席には「おいこっと」等での運用時に使用する収納式のテーブルが備わり(普通列車では格納される)、トイレも再改造時に和式から車いす対応の洋式へ変更されている。
「おいこっと」等の運転がない日には一般車と共通運用で普通列車にも使用されるため、つり革・優先席・整理券発行機などのワンマン運転関連機器は残された。この為、再改造に伴う再改番は行われていない。
長野総合車両センターにて1両ずつ検査を実施するため、検査等による運休がなく、その際はもう片方の1両のみで運用される。
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← 長野
十日町 →
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| 号車 | 1 | 2 |
|---|---|---|
| 車番 | キハ110-235 | キハ110-236 |
| 種車 (編入改造時) |
キハ110-313 (元南秋田運転所所属) |
キハ110-314 (元南秋田運転所所属) |
| 基調色 | ライトアイボリー | えんじ |
| 側面アイコン | 兎・山・小鮒・川 | 父母・友がき・雨・風 |
| 座席定員 | 各38人 | |
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車内
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ロングシートと優先席
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1人掛けクロスシート
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2人掛けクロスシート
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トイレ内観
沿革
脚注
注釈
- ^ 但し、気動車を使用。
出典
- ^ “のってたのしい列車「おいこっと」”. 東日本旅客鉄道. 2025年11月10日閲覧。
- ^ “のってたのしい列車「おいこっと」”. 東日本旅客鉄道. 2025年11月10日閲覧。
- ^ “のってたのしい列車「おいこっと」”. 東日本旅客鉄道. 2025年11月10日閲覧。
- ^ “のってたのしい列車「おいこっと」”. 東日本旅客鉄道. 2025年11月12日閲覧。
- ^ “のってたのしい列車「おいこっと」”. 東日本旅客鉄道. 2025年11月12日閲覧。
- ^ “冬の臨時列車のお知らせ”. 東日本旅客鉄道長野支社 (2017年10月20日). 2025年11月12日閲覧。
- ^ “春の臨時列車のお知らせ”. 東日本旅客鉄道新潟支社 (2022年1月21日). 2025年11月12日閲覧。
- ^ “冬の増発列車のお知らせ”. 東日本旅客鉄道 (2015年10月23日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “冬の増発列車のお知らせ”. 東日本旅客鉄道 (2017年10月20日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “冬の増発列車のお知らせ”. 東日本旅客鉄道 (2016年10月21日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “春の増発列車のお知らせ”. 東日本旅客鉄道 (2017年1月20日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “冬の増発列車のお知らせ”. 東日本旅客鉄道 (2017年10月20日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “冬の増発列車のお知らせ”. 東日本旅客鉄道 (2018年10月19日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “「いいやま雪まつり」開催にあわせ「いいやま雪まつり号」を運転します”. 東日本旅客鉄道長野支社 (2022年12月19日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “「第41回いいやま雪まつり」と快速「いいやま雪まつり号」運転にあわせておもてなしイベントを開催します!”. 東日本旅客鉄道長野支社 (2024年2月8日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “「いいやま雪まつり」開催に合わせ「いいやま雪まつり号」を運転します”. 東日本旅客鉄道長野支社 (2022年1月12日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “「いいやま雪まつり号」運休について”. 東日本旅客鉄道長野支社 (2022年2月1日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “鉄道体験旅行商品「おいこっとキッズスクール」の発売について”. 東日本旅客鉄道長野支社 (2019年6月10日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “秋の臨時列車の運転について”. 東日本旅客鉄道 (2021年8月20日). 2025年11月12日閲覧。
- ^ “秋の臨時列車の運転について”. 東日本旅客鉄道 (2021年8月20日). 2025年11月12日閲覧。
- ^ “飯山線に新しいコンセプトの列車が誕生します。”. 東日本旅客鉄道長野支社 (2014年7月18日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “飯山線新コンセプト列車の車両名決定および車両展示会の開催について”. 東日本旅客鉄道長野支社 (2014年12月4日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “飯山線観光列車 おいこっと おいこっとQ&A”. 東日本旅客鉄道長野支社 (2015年12月). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “飯山線観光列車 おいこっと おいこっとQ&A”. 東日本旅客鉄道長野支社 (2015年12月). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “飯山線が全線で運行再開 観光列車「おいこっと」も7月1日から運転”. 乗りものニュース (2017年6月26日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “飯山線が全線で運行再開 観光列車「おいこっと」も7月1日から運転”. 乗りものニュース (2017年6月26日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “「のってたのしい列車」の運休について”. 東日本旅客鉄道 (2020年4月8日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “発売見合わせ中の新幹線および在来線特急等の運転計画・指定席発売について”. 東日本旅客鉄道 (2020年5月13日). 2025年11月10日閲覧。
- ^ “「のってたのしい列車」の運転再開について”. 東日本旅客鉄道 (2020年6月26日). 2025年11月10日閲覧。
関連項目
- 越乃Shu*Kura - 十日町駅まで運行する観光列車。
- JR東日本信濃川発電所の不正取水問題
外部リンク
- のってたのしい列車ポータル おいこっと - 東日本旅客鉄道
- おいこっとのページへのリンク