各国での法制化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 04:03 UTC 版)
1990年代に入るとレズビアンの権利と地位向上を訴えるため、何十ものレズビアン・アベンジャーが組織された。今日ではオランダ、ベルギー、スペイン、ポルトガル、ノルウェー、スウェーデン、アイスランド、カナダ、南アフリカ共和国、アメリカ合衆国等で同性結婚が法制化されているが、まだまだ多くの国に受け入れられていないのが現状である。2004年、マサチューセッツ州は米国で初めて同性結婚を法制化した。 アイスランドの女性政治家、ヨハンナ・シグルザルドッティルは、私生活ではレズビアンで、2009年2月1日首相に就任し、同性愛者を公言した世界初の国家首脳になった。さらに、2010年6月27日に女性脚本家と結婚し、同性結婚をした世界初の国家首脳となった。 対照的にイギリスでは、かつて一度もレズビアンが違法であったことはなく、逆に男性の同性愛が1967年になって初めて合法化された。これはヴィクトリア女王が女性間の性交が可能とは思わず、1885年発布の刑法から女性の同性愛が漏れたためと言われている[誰によって?]。1921年、レズビアンを違法とするようフレデリック・マキステン(英語版) (Frederick Macquisten) 下院議員が提議したが、貴族院にて否決された。その決議の中で、当時の貴族院議長バーケンヘッド卿は、「女性が1000人いたとしても、そのうち999人はそのような悪習(同性愛)に手を染めるとは思えぬ」と断じた。1928年、レズビアンを題材とした小説、「寂しさの泉 (The Well of Loneliness)」が、公の場で卑猥な表現を行ったとして発売禁止となり、発売認可のための論議を呼んだ。一方で、節度あるレズビアン小説は自由に流通していた。 ユダヤ教の思想では、男性間の同性愛は厳しく非難されるが、女性間のそれには寛大な傾向があった。しかし今日のイスラエルでは例年テルアビブでWorld Pride(同性愛者のパレード)が行われている。 これら西側諸国のような同性愛は、イスラム教国では差別的な法を排除しているトルコを除いては滅多に認められない。サウジアラビア、イエメンでは、懲役、鞭打ち、果ては死刑などの厳しい処罰がなされる。イランでの同性愛を禁ずる法律は、幾分緩和、廃止されてきたと伝えられるが、依然として男性間の同性愛に関しては禁止されている。(→ イスラーム教徒による性的マイノリティー迫害も参照)
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