司令部と本部の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 05:09 UTC 版)
総司令部・司令部および本部は、部隊の指揮官および幕僚で構成され、隷下部隊を指揮統制する軍事施設である。英語では一律に headquarters とされるが、日本語の軍事用語としては明治の建軍以来「司令部」と「本部」の定義を明瞭に分けていた。連隊から小隊までの指揮組織は「本部」が、軍から旅団(団)までの指揮組織は「司令部」となっている。 ただし、旧日本陸軍においては地位役割の特殊性から軍隊ではない一部の官衙(役所)にも「司令部」の名称を使用しており、一例として軍管区司令部・連隊区司令部・大隊区司令部・要塞司令部などがあった。一方、戦後の陸上自衛隊では団と呼ばれる単位が存在し、これらの団長のほとんどには将官が充てられるにも関わらず「団本部」となっている。これは、創設当時はアメリカ軍の旅団の編制原則を参考にして一佐を団長にしていた名残である。 海上自衛隊では艦隊、集団、群に司令部が置かれている。 細部は自衛艦隊#司令部の編成を参照。 航空自衛隊では上から航空総隊司令部・航空方面隊司令部・団司令部(航空団や警戒管制団・航空救難団など部隊の機能に応じた各種の団が存在する。群以下も同様に部隊機能ごとに各種存在する。)・群本部(例として飛行群・整備補給群・基地業務群・高射群など)そして隊本部(例として飛行隊・整備隊・車両器材隊・補給隊・通信隊・業務隊・管理隊・監視管制隊・警戒隊・通信電子隊・高射隊・救難隊など)がある。航空団は旅団に相当しその長には将補が充てられている。 1950年代前半、警察予備隊および保安隊当時、総隊総監部・第1、第2総監部・方面隊総監部および管区総監部が創設された。また、海上警備隊および警備隊当時、地方総監部が創設された。これらの呼称は警察用語および行政官庁用語の影響を受けたもので、後に方面総監部を方面隊司令部に、海上自衛隊の地方総監部を地方隊司令部に改称する提案があったものの実現せずそのままに置かれ、1950年代半ばに創設された航空自衛隊では警察・行政官庁用語の影響を受けず、伝統的な軍事用語が採用できた。
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