厳重なセキュリティ検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 17:46 UTC 版)
「エル・アル航空」の記事における「厳重なセキュリティ検査」の解説
ユダヤ人国家であるイスラエルが周辺のアラブ系国家と対立していることもあり、さらに過去にハイジャックやテロの目標とされたことから、これを避けるために、搭乗時のセキュリティチェックが厳しく、他の航空会社より早い、3-4時間前にはチェックインが必須である。 チェックイン前に、必ず専門係員による質問がある。係員は3人程度の交代で、質問を繰り返し、荷物の経緯や、航空券の取得方法、渡航目的などを尋ね、つじつまが合うかどうか、不審者でないかどうか、その人物がテロリストに利用されている恐れは無いかを見分ける。同時に、搭乗客名簿をシャバックやFBIなどの危険人物リストと照合するという。 係員による質問は一般的に英語またはヘブライ語で行われるが、いずれも理解できない日本人乗客用に、日本語で書かれた質問表も用意されている。乗客の荷物は、搭乗前に別室で一旦開け、一つ一つ金属探知機での検査と火薬反応を調べる。これらのチェックは、イスラエル政府や友好国の政府機関の人間も例外なく受けなければならない。さらに爆発物を探し出すために、機内預けの全ての荷物は減圧室を通らねばならず、これは国や空港のいかんを問わず例外なく行われている。 また、全ての国際線の便には過去には2人、現在では最大6人の銃を持ったスカイマーシャルが一般乗客に紛して搭乗している。また、エル・アル航空のパイロットのほとんどがイスラエル空軍の出身である。なおコックピットへのドアは二重となっており、それぞれ暗号コードが合わないと開かない仕組みになっている。二枚目のドアを開けられるのは機長と副操縦士だけである。 2002年にケニアのモンバサからエル・アル航空機が地対空ミサイルで狙われた事件を受け、赤外線ホーミングの地対空ミサイルを避けるための装置「フライト・ガード(ミサイル警報・妨害装置)」が全機に装備されている。また、エル・アル航空機は特別に強化された床・壁となっており、貨物室は耐爆構造になっていると言われている。 以上のような厳重な検査の結果、1968年以来ハイジャック事件や旅客便の墜落事故は全く起こっておらず、「世界一安全な航空会社」ともいわれている。「旅客便」と断りがあるのは、1992年にアムステルダムでボーイング747貨物機が墜落事故を起こしているためである。 ボーイング737-800 ボーイング777-200ER ボーイング787-9 ボーイング787-9(設立70周年記念復刻塗装機) ボーイング747-200(退役済み) ボーイング767-200ER(退役済み)
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