777-200ER (772)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 08:07 UTC 版)
「ボーイング777」の記事における「777-200ER (772)」の解説
標準型 777-200 に対して、主として燃料タンク容量の増加およびそれに応じたエンジン推力の増強により航続距離を延長させたもの (ER: Extended Range) で、燃料タンクや送油ポンプ等の補機類やエンジンなどの動力系を-300から流用することで動力性能と航続性能を強化している。開発当初は-200IGW (IGW: Increased Gross Weight) と呼ばれていたが、すでに767で使用されていた "ER" に変更されることとなり、その後737などでもこれが使用されていくこととなった。最大航続距離は7,730海里(14,316キロメートル)。ローンチカスタマーはブリティッシュ・エアウェイズで、1996年10月7日に初飛行。1997年2月9日にブリティッシュ・エアウェイズ(GE製エンジン搭載機)によって初就航。 日本では1999年から全日本空輸が導入を始め、2002年からは日本航空でも導入された。日本航空ではマクドネル・ダグラス MD-11や同DC-10-40の後継機として導入し、韓国や中華人民共和国、東南アジアなどの中、近距離国際線から北米、欧州などの長距離国際線まで幅広い路線に投入されており、国際線主力機材の一つになっている。全日本空輸も当初は国際線で使用したが、2012年度から再度導入が開始された機体は全機が国内線専用機材として運航されており、また国際線仕様機も787の導入により2017年5月までに全機国内線仕様に改修された。 3発機や4発機に代わって長距離路線に投入にしている航空会社(アメリカン航空や日本航空、アリタリア航空、TAAGアンゴラ航空など)と、旅客数に応じて4発機と使い分けている航空会社(ブリティッシュ・エアウェイズやKLMオランダ航空、アシアナ航空、大韓航空など)の2つに分かれる 777-300ERおよび777-200LRと異なり、2010年代において生産中の777ファミリーの中では唯一エンジンメーカーの選択が可能なモデルである。日本では全日本空輸が-200および-300と同一メーカーであるPWエンジンを、日本航空ではのちに導入する-300ERとの共通化を図ってGEエンジンを選択して国内線仕様機(PWエンジン)との運用の差別化を図っている。2010年代に入って製造される機体は、3メーカーの中で最も強力な推力を生み出すGE製エンジンの搭載機が増えつつある。2015年9月現在の引き渡し数は422機。キャパシティが比較的近いB787-9が就航を開始したこともあり、2013年7月にアシアナ航空向けの機材 (HL8284) を引き渡して以降、受注はない。
※この「777-200ER (772)」の解説は、「ボーイング777」の解説の一部です。
「777-200ER (772)」を含む「ボーイング777」の記事については、「ボーイング777」の概要を参照ください。
- 777-200ERのページへのリンク