創作物におけるふたなり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 17:02 UTC 版)
現代日本では、おもに性的な対象として半陰陽者を扱った成人向け漫画やアダルトゲーム・アダルトビデオで見られる。半陰陽や両性具有といった言葉の婉曲表現として「ふたなり」という表現が使用されることが多く、登場人物の特性としてもジャンルそのものとしても用いられる。ふたなり描写を多数描く漫画家・イラストレーターがいるなど、一部では萌えの属性やフェティシズムともみなされている。一方、官能小説でふたなり描写を前面に押し出した作品は少ないが、結城映一作『淫妖伝』や山藍紫姫子作『アレキサンドライト』などがある。 漫画やゲームの世界では、両方の性器が正常に機能する、完全な両性具有として描かれることが多い。また、その性器の配置に関しては作家によって差異はあるものの、男性もしくは女性のどちらとも言えない形にすることが多い。ただし、肉体のベース・外見・性格は女性であることが多い。さらに体質として、絶倫、巨根(極端なケースではオートフェラチオなどができるほどの大きさの場合も)、まれに性器自体が柔軟、性器が複数ある(複根)、精液の量が異様に多いというケースもある。みさくらなんこつが描くアニメ・漫画が有名。 成人向けのメディアでは医学的な半陰陽と思われる表現はほぼ皆無である。睾丸がある場合と無い場合の両方がある。また、呪術や人体改造、生物の寄生などで陰核が男性器へと変化するケースも見られる。まれに肉体改造などで陰核を肥大化させたものや、特異体質で陰核自体が特殊で細く長く柔らかいものを男性器として扱い挿入するケースもある。先天的にせよ後天的にせよ、キャラクターがこのような身体的特徴を持つにいたった経緯が作中で全く説明されない場合も多い。日常ではありえない不条理なシチュエーションのひとつとして、唐突に描かれることも多い。 男の肉体をベースとしたふたなりとは異なる概念だが、ボーイズラブでは「受け」側の男性の肛門が半ば女性器のような配置や機能を有する(通称「やおい穴」)描写もあり、これはこのジャンル特有の奇異たる描写とされている。 ふたなりのベースとなる性別や相手側の性別で様々なシチュエーションが発生するが、成年コミック業界においては、レズビアン物+αの要素、あるいはシーメールの円滑表現という要素を持った魅力から、一定の読者ニーズが存在する。代表的な作品として「ふたなりっ娘の世界」(茜新社)や「ふたなりエクセレント!」(一水社)等のアンソロジー単行本が発売されている。
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