再推薦と審議結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 03:29 UTC 版)
「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の記事における「再推薦と審議結果」の解説
「情報照会」決議を踏まえて構成資産と推薦理由の見直しが行われた結果、ル・コルビュジエ個人から、近代建築運動への貢献へと評価の主軸が移され、その観点を基準として構成資産が22件から19件に整理された。また、推薦資産で唯一「都市計画」に分類されていたフィルミニの建築物群が個別の建築作品として再定義された。この結果、推薦名から「都市計画」が除かれて、「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」と改称されるとともに、カテゴリー別の分類も廃止された。また、共同管理体制の拡充のために「ル・コルビュジエ建築資産自治体協議会」 (Association des sites LE CORBUSIER) が創設された(日本では東京都が正会員として、台東区が準会員として加盟)。 通常、情報照会決議を受けた物件は、要求された追加情報を提出すれば再審議されるのだが、この物件の場合、近代建築運動を軸に推薦理由の練り直しなども行なったため、実質的な全面改稿となった。 この修正された推薦書は2011年2月1日に再提出されたが、同年5月のICOMOSによる勧告は前よりも厳しい「不登録」となった。推薦書では登録名自体を変更して「近代建築運動」との関わりを強調したが、ICOMOSの勧告では、むしろ「近代建築運動」がル・コルビュジエ一人に帰することが出来ない多様性を持っていたことなどから、19件が総体として顕著な普遍的価値を持つとは認められなかったのである。なお、19件のうちフランスが保有する3件(サヴォア邸、マルセイユのユニテ・ダビタシオン、ロンシャンの礼拝堂)のみについては、顕著な普遍的価値を認めうるとされ、改めて個別に再推薦されるべきと勧告された。 同年6月の第35回世界遺産委員会(パリ)では、フランスは3資産に絞り込まず、従来の枠組みを維持する姿勢で臨んだ。世界遺産委員会では大陸の枠を超えるシリアル・ノミネーションについては肯定的な意見が出され、シリアル・ノミネーションのあり方そのものに議論を提起する推薦物件と見なされたことで、「不登録」が回避され、継続審議となった。これは「不登録」勧告よりも一段階上の決議だが、2年前の「情報照会」決議よりは一段階下がった。
※この「再推薦と審議結果」の解説は、「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の解説の一部です。
「再推薦と審議結果」を含む「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の記事については、「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の概要を参照ください。
- 再推薦と審議結果のページへのリンク