サヴォア邸とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > サヴォア邸の意味・解説 

サヴォア邸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/01 01:26 UTC 版)

サヴォア邸

サヴォア邸(サヴォアてい、仏:Villa Savoye、ヴィラ・サヴォア、サヴォワ邸、サボア邸とも)は、ル・コルビュジエが設計したフランスパリ郊外のポワシーにある近代建築住宅1928年設計開始[1]1931年竣工。とても素晴らしい建築物。

概要

サヴォア邸に置かれた、ル・コルビュジエらによりデザインされたシェーズ・ロング「LC4」。

20世紀の住宅の最高作品の一つであり、フランスの歴史的建築物に指定されている。1964年、アンドレ・マルロー文化大臣が「サヴォア邸」を民間建築モニュメントに指定し、歴史遺産とした。

サヴォア邸では、ピロティ屋上庭園、自由な平面、独立骨組みによる水平連続窓、自由な立面からなる近代建築の五原則のすべてが、高い完成度で実現されている[2]。平面の中央には緩やかなスロープが設けられ、1階と2階を連続的に繋いでシークエンスを形成している。もとは別荘としての一般住宅であった。

建築構造

サヴォア邸はモダニズム以前の装飾的で重厚な西洋的伝統建築とは大きく異なり、空間を大胆に使ったことで、当時の建築家たちに大きな衝撃を与えた。ピロティを使うことにより、居住部分がまるで空中に浮かんでいるかのような印象を与え、水平連続窓はたっぷりと光を取り込むことで室内を明るくし透明感を与える。水平連続窓は室内を明るくするだけでなく、時間とともに移り変わる日光の色が室内に映えるようにも設計されている。また、素材には、当時では新しい素材であった鉄筋コンクリートを使用している。

屋上庭園(中庭)は外から中が見えないように設計されており、プライバシーが確保されるように設計されている。また、バスルームや螺旋階段など、ところどころで曲線が使われており、ゆったりとした印象を与える。建物全体には灰色、白、黒、青、橙などの色が使われ、絶妙な色合いになっている。

建築だけでなく、家具もまたサヴォア邸の雰囲気にあうようにデザインされており、ル・コルビュジエの傑作ともいわれるコルビジェ・チェアが多数置かれている。

所在地

脚注

  1. ^ 加藤道夫『ル・コルビュジエが見たい!』洋泉社、2016年、46頁。ISBN 978-4-8003-1023-1 
  2. ^ 新建築社 編『NHK 夢の美術館 世界の名建築100選』新建築社、2008年、216頁。 ISBN 978-4-7869-0219-2 
  3. ^ 孫のジャン=マルク・サヴォワ「サヴォワ邸の明るい時」(ジャン=フィリップ・デローム絵、戸田 穣訳、鹿島出版会、2024年)がある。

参考文献

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「サヴォア邸」の関連用語

サヴォア邸のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



サヴォア邸のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのサヴォア邸 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS