共楽館から日立武道館へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 23:42 UTC 版)
共楽館が日立市に寄贈された1960年代後半、日本各地の劇場は受難の時期を迎えていた。1960年代後半、全国各地の劇場、芝居小屋は急激に減少した。これは劇場、芝居小屋の多くが街中の最も賑わう場所に建てられており、地価が高く維持費用がかかる上に、土地は他の用途に転用しやすかったためであった。多くの劇場、芝居小屋は戦後まず映画館に改装され、テレビの普及とともに取り壊されていった。そして建物が残った劇場、芝居小屋も改装された上で、事務所等に転用される例がほとんどであった。共楽館もまた、前述のように1960年代にはほぼ映画館に特化していた。つまり共楽館はほぼ映画館に特化した時点で劇場としての役目をいったん終えていたが、建物そのものは日立市に寄贈されたため、取り壊されることなく生き残ることになった。 日立市が日立鉱山から共楽館の寄贈を受けた1967年(昭和42年)当時、日立市には市営体育館が無く、体育館が必要な場合には日立製作所の体育館を借りていたため、日立市は共楽館を柔道、剣道、弓道などの武道に利用する武道館とする方針を固めた。武道館とするに当たり、外観はそのまま保存し、建物内部の舞台、客席、2階部分の桟敷席を撤去するなどの改装工事を行い、改装後の1968年(昭和43年)5月1日、共楽館は日立武道館となって開館した。日立武道館の道場面積は633平方メートルであり、観客500名の収容が可能で更衣室、シャワーなどの設備が備えられた。 日立武道館は日立市内外の武道団体の練習会場や、日立市の総体を始めとした武道大会会場などに利用されている。後述する老朽化によって一時閉鎖される2005年(平成17年)以前には年間を通じて延べ約12,000名の利用者があった。日立武道館は改修後の2011年(平成23年)度に利用が再開され、2013年(平成25年)度には延べ12,839名が利用している。
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