全盛期と衰退
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 10:04 UTC 版)
こうして、1980年代後半は主にレコード会社や広告代理店の主導で数多くのタレントゲームが発売されたものの、少数の例外を除いてタレントの知名度に依存する余り肝心のゲームとしての完成度が低い作品がほとんどであったため、1990年代に入るとタレントゲームは「クソゲーの代名詞」的な扱いをされるようになって行く。 その一方で、1988年にはPCエンジンCD-ROM²が発売され当時、子役出身で新人アイドルへ転身を図っていた小川範子を起用したアドベンチャーゲーム「No.Ri.Ko」(ハドソン)が本体と同時発売された。このことは、既に芸能界である程度の成功を収めたうえでその知名度に便乗したキャラクターグッズとして発売されるケースがメインであった従来のタレントゲームとは一線を画し、新人アイドルのプロモーション材料としてのタレントゲームの登場を意味するものであった。1990年には、やはりハドソンからバーニングプロダクションの新人アイドルオーディション参加者を一堂に集めて製作された「みつばち学園」も発売されているが、この路線の後続作品はほとんど無く、結果的にCD-ROMの採用による大容量化はゲーム中の演出に実写そのものを取り込んだグラフィックではなく簡易的なアニメーションを採り入れることを促すようになった。 2000年代に入ると、かつてタレントゲームの開発・発売において中心的な存在となっていたレコード会社の多くはゲーム機の開発費用高騰に伴う採算悪化を理由にゲーム事業から相次いで撤退。その結果、年を追うごとにタレントそのものを起用したゲームの発売本数は減少傾向にある変わりに、1990年代以降はタレントそのものを起用したパチンコ・パチスロは増加傾向にあり、河内家菊水丸を役物や声に起用した羽根モノの『オロチョンパ』が最初の機種で、「ピンク・レディー」「中森明菜」「AKB48」などを題材としたタレント機種は、シリーズ化される程の人気機種となっている。 厳密な意味でのタレントゲームに該当しないが、PlayStation 2以降の3Dポリゴンを使ったゲームにおいては、モデリング技術やモーションキャプチャの機種を追うごとの高度化により、「鬼武者シリーズ」「決戦II」「武刃街」「龍が如くシリーズ」「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」「仁王」など、登場人物のキャラクターモデルの顔グラフィックやモーションキャプチャに有名な俳優等のタレントを起用するケースが増加している。また、特にオンラインゲームにおいては、イメージキャラクターとしてのタレントの起用、またそれに伴うゲーム内でのコラボレーションイベントの開催など、スポット的なタレントゲーム化とも言えるプロモーション手法が良く見られるようになった。
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