前史 -スペイン帝国の全盛期と衰退-
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 10:55 UTC 版)
「米西戦争」の記事における「前史 -スペイン帝国の全盛期と衰退-」の解説
「スペインによるアメリカ大陸の植民地化」および「ヌエバ・エスパーニャ」も参照 1492年1月に成立し、かつて「太陽の沈まない国」と呼ばれ、世界的な強国として君臨していたスペイン帝国の地位は、19世紀後半までの数世紀の間に低下していった。それ以前、中世末期の大航海時代にコロンブスが現在のバハマ諸島の東端に位置するサンサルバドル島に上陸し、当初はそれを香料諸島のインドと勘違いしてそこに住む原住民を「インディアン(インドの人々)」と呼んだ。それ以降スペインの軍人であるコルテスの「アステカ文明の発見と征服」を皮切りに、南北アメリカ大陸の大部分にまで及んだ金・銀鉱山の盗掘、そして現地の先住民を奴隷化して彼ら自身に金・銀を掘らせるエンコミエンダ制を実施し、その金・銀を船に積み込んでスペインのセビリャ港に運び出した。本国ではその金・銀で貨幣を大量に鋳造し、それを海軍力の増強や植民地拡大のための戦費に充てた。こうして近代16~17世紀のスペイン帝国は繁栄した。 しかし、ヨーロッパでのオランダ独立戦争においてオランダとイギリスの連合軍にドーバー海峡で敗北し、オランダの独立を許した。これ以来、香料諸島の植民地支配の主導権はオランダに奪われ、ポトシ銀山を始めとする南アメリカ各地の金・銀の産出量は減少し、海軍力は既に世界一の座から落ちるという具合に、明らかに衰退していった。
※この「前史 -スペイン帝国の全盛期と衰退-」の解説は、「米西戦争」の解説の一部です。
「前史 -スペイン帝国の全盛期と衰退-」を含む「米西戦争」の記事については、「米西戦争」の概要を参照ください。
- 前史 -スペイン帝国の全盛期と衰退-のページへのリンク